第2回：PRANAYAMA/プラナヤマ（調気法）

	通常は、両手をひざの上に楽において行なう。ただし、深く長い複式呼吸に慣れていない場合は、写真の様に左の手をお腹に、右の手を胸に当て、手に伝わるようにプラナの流れを意識しながら行なってもよい 　最近では呼吸法が心筋梗塞やパニック障害などのリハビリとして医療現場でも使われている。深呼吸により多くの酸素が血液に取り込まれ代謝をよくし、老廃物を排出。また肺を強化することで、インフルエンザなどにかかりにくくなる

　あなたは意識をして呼吸したことがありますか？　ベトナムで仕事や大気汚染、文化の違いなどからイライラして、自然と短い呼吸になっていませんか？　ヨガでは、呼吸をコントロールし、体内に「プラナ/Prana」（生命力、いわゆる「気」）と酸素を全身にめぐらす「プラナヤマ」という練習をします。二酸化炭素と酸素のガス交換だけではなく、呼吸に集中することで頭の中の考えや心配事を忘れさせ、心の整理も行なえます。

　そこで、簡単に出来る呼吸法を紹介しましょう。まず姿勢を正し、足を組んで座ります（写真上）。また仰向けに寝ても構いません（同下）。目を閉じ、口はつむったまま鼻だけを使ってゆっくり息を吸い、お腹から胸に向かって徐々に膨らまし、心地よい程度に息を止めます。そして今度はゆっくり息を吐きながら胸からお腹へと萎めていき、再び心地よい程度に息を止めます。これを自分のペースで繰り返します。特に重要なのが息を止める「クンバカ/Kumbhaka」。この時、プラナが全身をめぐるのです。

　長い息は長生きに通じると言われています。自分の呼吸を見直し、健康な体と心へと整えてください。　

（2008年12月号/ 2008年12月10日 水曜日 12:12 更新）