カンボジア・アプサラの微笑。

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古の女神が今、蘇る
カンボジア・アプサラの微笑。

　クメール族の宇宙観を表していると言われ、煌めく天女の美しい動きが、今もなお人々を魅了してやまないアプサラの舞。そして、国の平和と繁栄を願うそのアプサラの舞を代表とする伝統舞踊、それがカンボジアの宮廷古典舞踊だ。

　カンボジアの宮廷古典舞踊は9世紀頃のアンコール王朝の儀式の中で、王や神々への祈りとして舞われた踊りが興りとされている。以来、王宮の中で大切に保護されてきたが、1975年より始まったポルポト政権下の内戦期、宮廷古典舞踊は王政にまつわるものとして弾圧の対象となり、舞踊家や楽師など、舞踊に関わる人々の約９割が殺されてしまう。

　しかし、一時は滅亡の危機に瀕したものの、ポルポト政権崩壊後の1980年、王室や生き残った舞踊家たちの手により、古典舞踊の復興を目指しプノンペン王立芸術大学が再開。舞踊家の育成と共に、再びその歴史を刻み始めた。そして2003年、アプサラの舞を含むカンボジアの宮廷古典舞踊は、世界無形文化遺産としてユネスコに登録されることとなった。幾多の時代の波に翻弄されながらも、アンコール王朝期から受け継がれてきたカンボジアの宮廷古典舞踊。その民族の誇りが今、輝きを取り戻し始めている。

取材・文/ベトナムスケッチ編集部
取材協力/APEX CAMBODIA TRAVEL SERVICE CO., LTD www.apextravel.com.kh

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