大自然の中に過去と未来が共存
ソン島　Con Son

中心街からコーオン(Co Ong)空港に向かう途中、細道に入って木々の間をしばらく進んだ先に現れたビーチ。きめ細かな砂地の浜が続き、光を遮るものは何もない

	上写真)植民地時代に使用された石灰炉（Lo Voi）跡の近くにあり、ローヴォイビーチ（Bai Lo Voi）と呼ばれる。 左中央)渋みのある古い建物、咲き乱れる火炎樹やブーゲンビリア。日中は人影もまばらで、眠たげな雰囲気。 右中央)至るところにある収容所跡も町の一部。 右下)コンダオリゾート近くのアンホイビーチ（Bai An Hoi）。細かな砂が美しく、町中から気軽に来られる場所。 左下)日差しが和らぐ夕暮れになると、どこからともなくビーチに人が集まってくる。

　コンダオ群島でもっとも大きな島、ソン島（Con Son）。「コンダオ」といえば普通この島を指し、ロン島（Con Lon）とも呼ばれる。フランス植民地時代の建物を残しつつ、リゾート地への発展に向けて新しい町づくりが進む中心街は、その新旧入り混じった佇まいが非現実的な印象を与えている。

　全人口はわずか5000人強。ここで生活する人の多くが国立公園での仕事に従事する人たちや公務員、そして漁業を営む人々だ。1975年のベトナム戦争終結の際は、153人が収容所から解放された後、この島の発展のために残ったが、今ではその家族や子孫も暮らしている。ベトナム南部の島なのに、北部ベトナム語をあちこちで耳にするのには、そんな事情もあるようだ。

　そして島と言えば、やっぱりビーチ。ソン島には、熱帯植物に囲まれた白い砂浜が広がるビーチがいくつもある。が、そこにはビーチパラソルもデッキチェアもない。ただただ白と青と緑の3色が織り成す風景があるだけだ。

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スケッチトラベルで行く！
スケッチトラベル初登場！コンダオ島宿泊プラン

（2007年6月号 | 2007年6月21日 木曜日 10:33 JST更新）