青空の下、呼吸する。
光輝く天然の青。
手間暇をかけ、吹き込む命

　青黒く濁った藍液から引き上げられた布は、元の麻布の黄成りから、爽やかな青緑色となって現れた。それを天日に干し、乾いたらまた染め直す。竹竿に干された布は、日の光にきらきらと輝き、風にたなびいている。その光景は、時間をかけることで、まるで命が吹き込まれたかのよう。長い道のりを経て自然から作り出す藍染めの、遂に最後の瞬間…。

　しかし、実はまだ、これも作業の途中。深く濃い美しい藍色に染まるまで、彼らは更にこの作業を20回から30回、2週間ほど繰り返すという。

　それにしても、どうしてそれほどまでに手間隙のかかる作業を行うのだろうか。化学染料が全盛のこの時代、重労働はわりにあわない。しかもそうして作った布地も、たいした金額では売れないのだ。だが、シさんもウットさんも、口を揃えてこう語る。「周りにある素材を使うから安くすむのもあるけれど、それ以上に伝統と習慣だからね」。

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スケッチトラベルで行く
少数民族と霧の町サパ週末3泊4日の旅

（2005年7月8日 金曜日 9:15JST更新）