絵画の町は、
今、世界へと羽ばたきだした。

	生まれ育った故郷や、人々の村の生活をテーマに描き、世界的評価も高いTu Duyさんの個人ギャラリー。8月に行われる日本・ベトナム友好フェスティバルのデコレーションも彼が担当する予定とか。

　キャンバスに向かう鋭い眼差しとは裏腹に、時折みせる無邪気な笑顔が人柄の良さを感じさせるTu Duyさん（52歳）、ダナン出身。フランスを始め、世界中の展覧会から招待される、ホイアン屈指のアーティストだ。「幼い頃から絵を書くのが好きでね。絵を本格的に学ぼうと、ホーチミン市に絵の先生を探しにいったんだよ。だけど良い人が誰もいない。ひょんなことから3年ほど僧侶になったんだけど、お寺には色々な絵も時間もたっぷりあって、見たり描いたり、結局そこで勉強したことが大きかったよ。」

　生まれ持っての自由人の性か、Tu Duyさんは、その後も各地を転々。公務員や新聞社のカメラマンなど様々な職業を経験し、1992年、新聞社の仕事を辞めたのをきっかけに、本格的に画家のスタートを切ったという。そんなある日、彼にフランスの展覧会へ出展する機会が訪れた。「展覧会場で、当時のフランス大統領夫人が俺の絵を気に入ってくれたんだ。それから、色々な人が絵を認めてくれ出した。ベトナムはもとより、香港とかにも招待されるようになったんだ。絵はあくまで自己流だけど、それは本当に嬉しい出来事だったよ。」

　その後、ホイアンに移り住み、彼は自らのギャラリーを開くことになる。その名も「La' Gai ARTS SPACE」。ホイアンのあるクアンナム省の銘菓である「Banh It La Gai」の名にちなみ、「このギャラリーも、ホイアンで知られる存在になるように」との願いを込めたという。「昔はホイアンにもそんなにギャラリーは無かったんだ。俺が店を出したのは最近のことだけど、ずっとダナンに暮らしていたからよく知っている。小さな町ということもあったかもしれない。絵が売れ出して、店も増えて。でも質はいまいちだった。」

　しかし最近、その状況は変わりつつあるらしい。「いくら店があっても絵の本質は隠せない。質の悪い店はつぶれ、良い店だけが生き残る。そのせいか、だんだん画家の腕が良くなってきているんだ。面白い絵も増えてきたし、一辺倒な店は無くなった。ホイアンはギャラリーの町。そこを訪れる人の期待を裏切らない、そんな風になってきたことは、一人の絵描きとして誇らしいよ。」

　店名　La' Gai ARTS SPACE
　住所　130 Nguyen Thai Hoc St.
　電話　(0510) 910496
　営業　9:00〜21:00
　ウェブ　www.gallerylagai.com

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