伊藤 崇将・梨恵 夫妻
「花美」店主・女将
カテゴリ:ベトナムの日本人
更新:2022/10/05 – 09:00
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成長を続けるスタッフと共に
愚直に良質の味とサービスを極める
「日本のホテルの和食部門で働いたあと、アメリカ滞在時に募集を見つけたのがベトナム行きのきっかけです。2014年から、公邸料理人として日々のお食事から会食まで、約2年半の間、担当させていただきました」
そんな伊藤崇将さんと、梨恵さん夫妻が営む完全コース制の天ぷら・懐石料理店「花美」。創業以来、確かな味と質の高いサービスで、在住日本人に重宝されてきた。
「領事館勤務の際、総領事の取り計らいで、来賓の方へご挨拶の機会を設けていただきました。店を立ち上げるのは初めての経験でしたが、そうした方々に名前を知って頂けていたことはありがたく、総領事に本当に感謝しています。また、ベトナムは天ぷらの食材も豊富。ベトナムで店をするからには、地元の食材で良い和食を作りたいと思っていました」
一方、企業での営業経験を元に、ホールに目を配るのが梨恵さんだ。
「接待にご利用いただくことが多いので、接客には気をつけています。サービススタッフには配膳の順番やグラスを置く向きなど、細かいところを何度も伝えるようにしています」
その甲斐あって、今では新人に指導ができるスタッフも育ってきた。
「日本ならではのマナーやサービスは、ただ教えても理解しづらく、なぜそうなのか、から時間をかけて教えています。サービスやスタッフが良かったよ、と言って貰えるとホッとします」
コロナを乗り越え粛々と
感謝の念で店を続けたい
開店から順風満帆に思える同店だが、コロナ禍では数ヶ月の休業を余儀なくされた。
「完全休業の時期は経済的にも精神的にも厳しく、十分に給料も払えないなどスタッフに我慢を強いることもありました。にもかかわらず、残ってくれて店を再開できたことは奇跡だと思っています」
正社員は開店当初からのメンバーもおり、キッチンスタッフには包丁の握り方からまな板の置き方まで、一から教えてきた。
「一番弟子ともいえる女性は入社まで和食を食べたこともありませんでした。しかし皆、調理に関しては本当に器用で。日本人より感覚が鋭いかもしれません」
2021年、夫妻は「花美」の隣にカジュアルな一品料理を揃える「食堂一輪」をオープンさせた。一番弟子の女性は今や、その料理長になっている。
「一輪はスタッフの次の活躍の場として活かせればと思っているんです。また、花美でもスタッフ考案のデザートをコースに入れることもあるほか、短期間であればスタッフに店を任せられるようになりました。開店から約5年、今でもお客様に来ていただけることがありがたいです。これからも今を大事にして、粛々と店を続けていけると嬉しいですね」
伊藤 崇将 ・ 梨恵
いとう たかまさ ・ りえ
在ホーチミン市日本国総領事館の公邸料理人だった伊藤崇将さんと、外資企業に務めていた梨恵さん夫妻。領事館の任期満了を機に、2017年に「天ぷら・懐石 花美」を、2021年に「食堂一輪」を開店する。FB: 【花美】@tempurakaisekihanabi
【食堂一輪】@食堂一輪 Kitchin Ichirin
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