ベトナムふしぎ発見!/「生血プリン」は幸運をもたらす? /リスクがあっても人気は衰えず

使うのは豚や山羊の血 ベジタリアン向けもある

ベトナムの「おそろしい料理」と言えば、孵化直前のアヒルの卵「ホビロン/Hot Vit Lon」などに加えて、生血のプリン「ティエットカイン/Tiet Canh」なども外せない。 この料理には、豚、山羊などの新鮮な血を使う。ベジタリアン向けには、赤ビーツやゼリーパウダーなどを使った“生血プリン”まである。 作り方としては、生血に少量の魚醤ヌックマム(Nuoc Mam)や塩を加え、挽き肉や軟骨のみじん切りに注いで凍らせる。凍らせ方も色々だが、材料の比率を間違えるとうまくいかない。

食べれば運気アップ! リスクとは隣り合わせ

多くのベトナム人は、旧暦の1日に生血プリンを食べると幸運が訪れると信じている。それが正しいかどうかは不確かだが、食せば多くの病原体を「迎える」ことは確実だ。生血プリンは、基本的には加熱されていないからだ。 豚の血は、豚溶連菌や蠕虫病などに、アヒルの血はA型鳥インフルエンザ(H5N1、H6N1)などのリスクがある。実際に病院での治療が必要だったり、死を迎えたりした人も少なくない。 それでも、この料理を食べたい人は後を絶たない。「自分も周りの人も、ずっと食べているが問題ない」し、「自分で作ったものなら衛生的」だとも主張する。諺にある「まだ棺桶を見なければ、泣かない」ということなのだろう。
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