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撮影・文／杉田憲昭（GRAFICA）

ライブから日越文化活動まで
いつでもどこでも“楽しい”に全力

素人バンドから10年を経て
ベトナムフェスティバルの舞台に

「1977年会に所属していた音楽好きの3名が発起人となり、2012年に結成したのが始まりです」

そう話すのは、ホーチミン市に拠点を置く日本人バンド「ヘム★ヘム・サイゴン」でボーカルを務めるアベさん。当初は素人バンドとしてスタートしたと言うが、今やバーやライブハウスのほか、結婚式や周年記念パーティーなどで依頼を受けて演奏するほどだ。ライブの際は在住外国人のみならず、ベトナム人ファンも詰めかけ、同市の音楽シーンを盛り上げる存在となっている。

「曲はスカやロックが中心でオリジナルもあります。特にみんなが知っている有名な洋楽をスカにアレンジしたものが多いですね。コロナ前はライブを月に１回程度。国内のビーチフェスや、台湾、タイ、マレーシア、カンボジアに遠征し演奏することもあります」

「ヘム★ヘム・サイゴン」は2022年、「ロックの日」である6月9日に結成10周年を迎える。その人気から同年6月4〜5日に日本の東京・代々木公園で開催される「ベトナムフェスティバル2022」への参加も決定した。

「ベトナムのメンバーだけでなく、日本在住のOB・OGも全国から集まり演奏します。また、6月4日の夜には渋谷の老舗ライブハウス『エッグマン』でのライブも行いますので、ぜひ気軽に来て下さい」

人と人、日本とベトナムが
出会う場所でありたい

駐在員やその家族、自営業者など、バンドにはバラエティあふれる面々が揃う。そのため彼らの活動は、音楽だけに留まらない。

例えばベトナムのクラフトビールブランド「パスターストリート」と共同開発した「ヘムヘム・ライスIPA」もそのひとつだ。日本とベトナムの食文化の核である米を配合したビールで、まろやかな味わいが特徴。2020年に開催された「アジアビールチャンピオンシップ」IPA部門でも、ベトナムからの出品で唯一トップ11に選出された。

「10周年にあたり、ブロックチェーン技術を用いたライストークンも開発しました。今後、無料配布をして、グッズやライブチケットの割引などに利用してもらうことで、コミュニティを盛り上げられればと思っています」

また、日本酒や米関連の企業と協力した商品や、2019年に世界コメ会議で最優秀賞を獲得したベトナム米『ST25』の紹介など、将来的に日本とベトナムをつなぐ文化活動もしていきたいと話すアベさん。

「バンド名のヘムは、ベトナム語で小道を意味する言葉。道と道が交わるように、人と人が出会う。メンバーや観客、会場、食材企業、全ての人生が１つに集まり、楽しめる場を一緒に作っていければ嬉しいですね」

ヘム★ヘムサイゴン　hẻm★hẻm Saigon
2012年の結成以来、スカやロックを中心とした音楽を提供し続ける日本人バンド。「全力でふざける」をモットーに、ベトナム国内外でのライブを多数開催。現在、トランペット奏者を絶賛募集中。
メール: hemhemsaigon@gmail.com
FB: @hemhemsaigon
Instagram: @hemhemsaigon
Youtube : hem★hem Saigon
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