ベトナムの今がよくわかる /ベトナムニュース解説3月号

年末に増加する、 偽ブランドショップ

ホーチミン市では偽ブランド品を扱う店舗を多数摘発してきたが、年末が近づくにつれ、こうした悪質店が増えつつある。夜、1区、3区の通り沿いや8月革命通りの歩道には、偽海外ブランド品を扱う露店が数多く現れる。ヴィトンやシャネルのバッグなどを扱う店では「どれも10万~15万VND(約500~750円)均一だよ!」と客引きし、そこに女性客が群がっていた。 (Tien Phong 12月28日, P.5)
解説 この記事によると販売業者は、「海外向けに生産している企業が作っているものだから丈夫で品質も良い。本物が欲しいなら、そういう店に行けばいい。露店には、安く買いたい人が来る」と隠す素振りもないそうですので、一定の需要と供給のもとに成り立っているということでしょう。   こういった偽物は、バッグに限らずサングラス、洋服、財布などさまざまなアイテムがあります。販売する店が年末に近づき増えてきた理由としては、新年を新しいモノで迎えたいというベトナム人の習慣などが関係しているのではないかと思います。また、なぜわかっていながら偽物に手を出すのか、については、本物は価格が高いということもありますが、正規で取り扱う店舗が少ないなど、そもそも入手しにくいという側面も大きいのでしょう。   まだまだ消費者の認識が甘いのも確かですが、近年はベトナムにも都市部を中心にさまざまなファッションブランドの正規販売店が出店し、正規品を入手しやすくなったように感じます。消費者意識が少しずつ変わっていくことを期待したいところです。

厳しい状況下で ボーナス増決めた日系企業

ハノイにある日系M社は今年、月給1.37倍のテトボーナスを支給する。昨年よりもボーナス増となる。   4500人が働く同社はこの1年、コロナ禍の様々な困難を乗り越えて活動、労使は3度の交渉の末に月給1.37倍のボーナスで合意した。一方で、昨今の状況を鑑み、工場全体での忘年会は開催せず、労働者1人あたり奨励金100万VND(約5000円)が支給された。 (Lao Dong 12月30日, P.5)
解説 コロナで世界が大混乱に陥った2020年。ベトナムは影響が少なく、GDP成長率も2.91%(統計総局)とプラス成長を維持しましたが、読者の皆様の業界はいかがでしたか? 深刻な影響を受けた業界から、予想外に伸びた業界までさまざまだと思います。コロナ禍で事業の維持が簡単にはいかない状況から、ベトナム政府は2020年、融資や税などさまざまな方面で企業支援策を講じ、例年1月引き上げとなっていた最低賃金も2021年は見送りました。記事にある日系企業では、労働者の生活を保障し、生産性を高めるためにボーナス増に踏み切り、3%昇給も決定したそうです。しかし、今年はボーナス減という企業も多いと思います。   ところで、「13ヶ月目の給与」として広く認知されているこのテトボーナスは、法律で義務付けられているものではなく、支給は業績次第なのですが、多くの企業で例年1ヶ月分以上を目安に支給されています。支給額をどうするかは各企業次第です。コロナ禍の中でもベトナム人がとても大切にしている旧正月テトを、誰もが温かく迎えられれば良いなと思います。
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