メディカルトーク 子どもでは気付きにくい「初期虫歯(脱灰)」 親のこまめなチェックと歯磨き指導で予防を

メディカルトーク

症例

7歳男児、母親の仕上げ磨きを止めてからだいぶ経つが、最近チェックしてみたら、上の歯の根元が全体的に白濁していて、歯磨きをしても白い部分が取れない。痛みはない。

歯の根元、歯茎の白濁の原因は 磨き残しや甘いものの摂取しすぎ

この症状は、歯の根元や歯茎に沿って複数の歯が連続して脱灰し白濁している状態で、普段は唇に隠れて見えない部分なので、小学生だと自分では気付きにくいです。白濁を放置しておくと、白い状態のまま歯に穴が開いて虫歯になっていくか、茶色から黒色へと目で見てわかるような虫歯になっていきます。   原因としては、習慣的な磨き残し、あめやジュースなどの液体になる甘いものの1日複数回の摂取などが考えられます。それらが影響して歯の表面が溶け、歯の根元、歯茎に沿って白濁が始まります。一方、歯の先端や中心にできる白濁に関しては、原因が異なることが多いので、歯科医師による鑑別が必要です。

鏡で確認しながらの丁寧な歯磨きと フッ素の塗布で、予防改善を

特に小学校低学年の場合は、乳歯があった頃の感覚で歯を磨くため、より大きな永久歯の付け根の部分に歯ブラシが当たりません。鏡で永久歯を見せながら、上の歯はもっと上、下の歯はもっと下を磨くように指導をしましょう。   液体状の甘いものは歯の根元の虫歯を作ります。原因は量ではなく、回数や時間なので摂取方法を調節する必要があります。白濁した歯は、軽度であれば再石灰化により色が数年で回復する可能性があります。再石灰化を早めるために家ではフッ素入りの歯磨き粉を使い、3ヶ月に1回ほど、歯科医院でフッ素塗布をすると効果的です。一度お子様の唇をめくって前歯の根元の白濁を確認してみてください。
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