料理をおいしそうに見せるには/黒い器で食材の色を映えさせて

料理をおいしく見せられるかどうかは、食器の色で決まると言っても過言ではありません。特に和食は、1種類ずつ小皿に盛るため、器の色や素材、大きさなど種類が豊富です。 また、日本では昔から黒い器が好んで使われているのも特徴の1つです。黒塗りの器は高級感に加えて、それぞれの料理の色を満遍なく引き立てる効果もあります。最近は、居酒屋やラーメン店などでも黒い皿が使われているのを目にする機会が多くなってきました。やはり、料理の種類に関係なく、色を映えさせておいしそうに見せる黒の効果を生かしているということでしょう。 逆に、不味く見せてしまう色は、鮮やかな青い器です。青は、料理の色を濁らせてしまうので、食べ物との相性がよくありません。 また、青には興奮神経を沈めて食欲を抑える効果があるので、ダイエット中にはもってこいの色だといえますが、そうでない場合の食事には避けた方がいいでしょう。 器以外では、照明の色も料理の見た目に関係します。たとえば、白熱電球の下では、料理の色が豊かに彩られておいしく見えますが、蛍光灯の下では、料理が全体的に緑っぽくなってしまい、そのものの良さを生かすことができません。 器の色と照明の色を工夫して、おいしい料理をさらにおいしく見せましょう。
田岡 道子  Taoka Michiko カラースタイリスト、カラーデザイナー。カラーマイスター協会理事。DICカラー&デザイン社を経て独立。大学・専門学校等での講演、美容雑誌への寄稿多数。PPGタイランド社のオートバイ新色カラーショー、トヨタ自動車の色彩調査を担当。現在は世界各国を飛び回り活動中。著書に『COLOR OF LIFE 〜色を生活に取り入れよう〜』(税務経理協会)、『色で魅せる』(青月社)、『カラーコーディネーターになるには』(啓林書房)など。
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