ベトナムの今がよくわかる /ベトナムニュース解説11月号

11月、カントー市で 日越経済・文化交流フェス

ベトナム商工会議所(VCCI)とカントー市は東京で2019年8月9日、同市で11月に開く越日経済・文化交流フェスティバルを紹介した。多くの在京企業がベトナム投資に意欲を見せた。 同市は専用工業団地を整備するなど日本企業を優遇している。この工業団地は広さ30ha(第1フェーズ)、交通、水処理、街灯などのインフラ工事が完了し、日本企業を受け入れる準備が整っている。 (Tuoi Tre Online 8月9日/ Cafef.vn 8月9日)
解説 政情や気候の安定、ボーナス期にある人口、政策の改善などの利点を背景にすでに多数の日本企業がベトナム進出をし、成功を収めていることは改めて説明するまでもないでしょうが、ベトナムに対する日本企業の関心は今も非常に高く、今後も続くと考えられます。 最近では、ベトナムの内需を狙ったサービス業などの進出が増えていると言われますが、製造業への投資も引き続き堅調に伸びている印象です。土地や労働者の確保の問題から、いま製造業はほとんどが地方を進出先に選んでいるようであり、外資を誘致したいベトナムの各地方にとっては願っても無い好機と言えるのかもしれません。 VCCIメコンデルタ支部のグエン・フオン・ラム(Nguyen Phuong Lam)支部長によると、このフェスティバルには300以上の日本企業が参加する予定だそうです。VCCIは、日本から訪れる企業を考慮してイベントにあわせ、カントー市、ベトナム航空とともに東京・大阪とカントー市を結ぶチャーター便を飛ばすことにしています。「両国企業がビジネスチャンスを模索する良い機会となるはずだ」とラム支部長は期待を寄せています。

ベトナムでも日本製品ボイコット? 波紋広がる日韓貿易摩擦

日本と韓国の貿易摩擦が高まることで、ベトナムにはどのような影響があるのか。韓国での日本製品ボイコットについては、日本メディアもよく報道しているが、在ベトナムの韓国系小売でも同様の動きが出ている。ベトナム在住韓国人をターゲットにしたチェーン店「ケーマーケット/K-Market」では韓国製品以外にも中国、タイなどの他国製品も取り扱っているが、この8月から日本製品の取り扱いをやめている。 (VnExpress.vn 8月22日)
解説 韓国の輸出管理に不適切な事例があったことを原因に日本が輸出管理を厳格化したことが、日韓に貿易摩擦を引き起こし、韓国での日本製品ボイコットにつながっています。 これは、韓国に輸出されていた、軍事転用ができる半導体関連素材について、日本が審査を厳格化したものですが、携帯電話など半導体製品の輸出が経済の柱である韓国にとっては、日本からの資材調達が困難になり企業に与える影響が大きいと見られています。 韓国の代表的なエレクトロニクス企業サムスンは、ベトナム北部で携帯電話、南部で家電を生産し、16万人もの雇用を創出するなどベトナムにとっては非常に大きな存在です。ベトナムの輸出総額の約2割は携帯電話、そのほとんどをサムスンが担っているそうですが、ベトナムには他にも非常に多くの韓国企業が進出しています。 ベトナム投資を行っている国で韓国は世界1位、日韓の貿易摩擦によるベトナムへの影響については識者で見方が分かれるようですが、摩擦が長期化し、韓国企業に実際に影響が出てくれば、韓国企業のベトナム投資にも波及する可能性があると考えられます。