第27回 BJJのタブー「サンドバッガー」とは?

第27回  BJJのタブー「サンドバッガー」とは?
柔道ならば「縦四方固め」。ぎゅっと抑え込んで30秒で一本勝ち。BJJではここから、様々な姿勢や関節技にくるくると変化します。
皆さん、こんにちは! 「オーバーリミットBJJサイゴン」ヘッドコーチ小谷尚孝です。

 ブラジリアン柔術(BJJ)の大会が数ある中、世界で最も権威があるビッグタイトルの1つに数えられているイベントに、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)の欧州選手権があります。この大会で優勝して金メダルを穫ることは大変な名誉であり、あらゆる柔術家にとっての憧れと言っても過言ではありません。

 そんな大舞台で物議をかもしたのが、あるカテゴリーで優勝した最初級=白帯の選手。大会終了後に、実は青帯、つまり中級者レベルであることを隠し、初心者狩りをしていたことがバレたのです。

 BJJでは、習熟度に応じて先生の判断で帯の色が上がっていくシステムを採用しており、1度昇格すると降格はありません。何よりも、試合では、自分の帯色と違うカテゴリーに出場できません。特に、自分の帯色を隠して下級者相手に勝ちを拾いに行く行為は、安全面からも重大な反則となり、それをやる人間を「サンドバッガー」(=一方的に相手を叩くことが好きなクズ野郎)と呼ばれ、永きにわたって卑怯者扱いされることになります。

 誰でも負けるよりは勝つ方がいいに決まっています。しかし、長く安全に競技生活&真剣勝負を楽しむために、ルールを守って練習&試合をしなければいけないと私は信じます。
「スケッチ見ました」で初回体験&道着貸し出し無料。見学も受付中です。

Information

小谷尚孝
こたに ひさのり

ブラジリアン柔術道場「オーバーリミットBJJ/OverLimit BJJ 」ベトナム支部長。三重県出身。ベトナム在住は26年突破。学生時代は一切、運動経験がないまま、ダイエットで始めた格闘技がライフワークに。クラス指導の傍ら、現役選手としても活躍中。
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