メディカルトーク 肛門周囲から膿や血液、粘液による痛みや不快感 長期間の放置でがん化の危険性もある痔ろう

メディカルトーク

症例

53歳男性。肛門近くが腫れ数日後に排膿して治る、を5年前から繰り返していた。1ヶ月前より同部位から血液混じりの粘液が排出され受診。肛門診察で痔ろうと診断され手術。経過順調で治療終了となった。

きっかけは下痢などによる 肛門腺の細菌感染

痔ろうのきっかけとなる肛門周囲膿瘍(のうよう)は、肛門粘膜と直腸粘膜の境界にある肛門腺が、下痢などで細菌感染を起こすことにより発症します。炎症による局所の痛み、違和感、発熱を引き起こし、膿瘍が自壊するか、切開排膿の処置で症状は劇的に改善します。その後、腸管内腔と肛門周囲の皮膚の自壊した部分が瘻孔(ろうこう、トンネルのこと)により交通して閉鎖せず、粘液排出や出血、痛みを来すのが痔ろうです。 肛門周囲膿瘍や痔ろうのため外来を受診される方は年間に何人かいらっしゃり、これらは決して珍しい病気ではありません。未治療で、何年も痛みや滲出物(液体がしみ出ること)に悩む方もいます。

大半は切開し膿を取り除き治癒 まず専門医に受診を

痔ろうは瘻孔の走行部位により、粘膜下、筋間、肛門挙筋上、肛門挙筋下などに分類されます。また、10年以上放置すると、アルカリ性の粘液の刺激のため0.1%ががん化します。 痔ろうの原因となる肛門周囲膿瘍は、局所麻酔下に切開排膿することで大半は治癒します。瘻孔として症状が続く、繰り返す場合には手術が必要です。標準的には、瘻孔の開放と切除を行います。合併症としてまれに肛門括約筋を傷つけて便失禁を来すことがあります。 一般の外来で処方される痔の坐薬や軟膏では、痔ろうや肛門周囲膿瘍の根本的な治療ができません。気になる症状があれば専門医を受診しましょう。
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