たべもの文学抄
キンマの葉とビンロウジュの実
Trầu Cau
鳳凰の羽のように切り取るキンマの葉(Trau Canh Phuong)は北部の独特な盛り付け方
結婚の定番の贈り物
水で溶いた石灰をキンマの葉でくるみ、皮をむいて切ったビンロウジュの実と一緒に噛む嗜好品。冠婚葬祭に用いられ、特に日本の結納品のような新郎の家族が贈る婚約のプレゼントとして欠かせない。由来には諸説あるが、その中の1つを紹介する。
情熱的な兄弟と夫婦の情愛
昔々、両親のいない仲の良い2人の兄弟がいた。2人の見た目がとても似ているので、兄嫁でも見分けられず、彼女は何回も間違い恥ずかしがっていた。弟はそれを気遣い、兄の反対をよそに家を出て山の奥で暮らすつもりだったが、山の冷たい霜や風の影響で死んでしまった。
ずっと戻ってこない弟を探しに行った兄は、山人に弟の亡霊と間違われたため弟の死を知り、悲しみに倒れて、そのまま死んでしまった。兄嫁もその2人を探していたところ、2人が死んだと言われ、2人の墓前で泣き続けた末、そこで死んでしまった。
天はこの話に感動し、弟を石灰、兄をビンロウジュ、兄嫁はキンマに変えた。この3つを一緒に食べると、口の中が真っ赤になり軽い酩酊感が生まれる。まるで、家族を思い合う3人の盲目的とも言える強い愛情を表しているようだ。
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