どこでも見かける
多種多様なベトナムの葉野菜
ベトナムの食文化には“葉っぱ”の存在が欠かせない。家庭なら定番のスープや炒め物に使われ、外食ならバインセオ(Banh Xeo)やフォーなどの麺料理にも必ず添えられている。ドクダミ(Rau Diep Ca)やラーモー(La Mo)といった食感が固く生薬のイメージが強い、日本人には馴染みの薄い葉もよく食べられ、実に多くの種類の葉っぱが存在する。
ベトナムは農業が盛んで野菜を食べる習慣が根付いているが、昔はあまり豊富な食材がなく、貧しい人も多かったため周りに生えている草も食すようになったらしい。そんな先祖の食習慣が脈々と受け継がれ、いつの間にかベトナムの食卓に欠かせない存在になった。
それでも最近は野菜不足
原因は安全性や食文化の変化
しかし、2015年のベトナム保健省の発表によると、ベトナムの成人の57%、実に半数以上が野菜と果物不足だという。2017年にも「世界保健機関によると、52.7%のベトナム人は野菜不足」と、ベトナム政府により発表されている。
この数年で殺虫剤などの薬剤を使った野菜が問題となり、食品衛生上の安全を心配した消費者が自分自身で育てたものしか食べないようになったことや、若者たちのファストフード好きなどが主な理由となっているようだ。もしかすると、数年後には葉っぱの存在感も薄くなっているのかもしれない。