29屋的　越南食卓／第14回

レストランで似たようなメニューが多すぎる！なぜ？

ベトナムで長期の滞在をした人は、少なからず「どのレストランも、ほとんどメニューが似てる。というか、パクリ？」という感想を抱くという。特に和食の店については、店の料理構成にオリジナリティーや差別化が感じられず、簡単に言えば「似たり寄ったりで、すぐ飽きが来る」らしい。 2017年10月時点でのJETROのレポートによると、ホーチミン市内の日本食レストランの数は約400軒。そのうちの5割が日本人オーナー。顧客の9割がベトナム人なのだそうな。その　昔、第1次ベトナムブームが起きた1990年代後半ごろは全部で20軒程度しかなかったので、比べると激変も激変だ。マーケットが大きくなった分、規制緩和も手伝い大手資本の参入などで競争も激化。なかなか厳しい戦場ではある。なんとか他店との差別化を図りたくとも、料理ができる人材は元をたどればみんな昔の「老舗」、つまり「和食元祖20軒」で修業したベトナム人シェフ＆その弟子たちの系統になるので、味付けや発想が「まるっきりおんなじ」になるのも、まあ、仕方ないっちゃぁ仕方ないのかもしれない。とはいえ、食材の個人輸入や、ベトナム人の海外研修が、以前と比べて遥かに敷居の低くなってきた現在。「新メニュー」という名の他店の人気メニューのパク…もとい、オマージュしか新機軸が打ち出せなかった古き良き時代とは違い、やり方次第でいろいろな展開ができるのだなあと、作り手としても食べ手としても楽しみな今日この頃。今月も、ガッツ！