たべもの文学抄
ドリアン
Sầu Riêng
南部だけではなく、北部でも人気が高いドリアン。価格がけっこう高く、ギフトにされる場合が多い
南部名物の1つ、ドリアン
「匂いが耐えられない」という人が多いが、食べるととても好きになると言われるドリアン。甘い黄色の実をそのまま食べるほか、ケーキ、おこわ、鍋などに変身させた料理やスイーツも多様だ。4〜5月が旬のドリアンには、とってもロマンチックな話がある。
恋愛ストーリーから生まれた果物
西山朝(1778~1802年)の時代に、戦乱のために、真臘(しんろう、現カンボジア)に流落したベトナム人の男がいた。彼は医療を学び、偶然出会った1人の病気の女の命を救った後に彼女と恋に落ち、結婚した。
その女の家に、皮が硬く、臭い果物がなっている木があった。男は最初は好きではなかったが、「見た目は悪いが、実は私の愛のように甘いですよ」と言った女がその実を取ってくれた。食べてみると美味しかった。
10年間、2人は幸福に過ごしたが、女が急病で亡くなった。寂しいけれど、「ほかの人とは結婚しない」と約束した男は、臭い果物を持ってベトナムに戻り、家の庭にその木を植えた。時が経ち、木に実ができた頃、男はもう老人になっていた。近所に果実を分け、その話を伝えた。それから間もなく、亡くなった。その木がベトナムで発展し、「トゥレン/Turen」という元の名が「サウリエン/Sau Rieng」になった。
Post Advert 570×75 Rotation
掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。