ベトナム文化と 歴史に舌鼓 たべもの文学抄
第1回
正月ちまき・バインチュン
Bánh Chưng
食べ物に隠れた物語
ベトナムには多くの昔話や物語がある。天と地の始まりや民族の由来にまつわる伝説から、果物の形や野菜の名前の由来など身近な食べ物に関する多くの物語が生まれ、語られてきた。食べ物の話を通して、ベトナム文化を見ていこう。
誰もが知っているベトナム昔話
ベトナム最初の王朝「文郎/Van Lang」時代のこと。王様は後継者を選ぼうと、祖先に感謝する祭りで供える礼物を探すよう王子22人に命じた。
寵愛されなかった側室の子、郎僚(Lang Lieu)が悩んでいたある夜、夢に天人が現れ、人間の生活に不可欠な米を料理にするよう教えてくれた。喜んで起きた郎僚は、米の中に豚肉、緑豆を含み、地を象徴する四角い「バインチュン/Banh Chung」と、天を表す丸い「バインザイ/Banh Day」を作った。他の王子たちが集めた山海の珍味よりも、王様はこれらの米料理に満足し、王位を郎僚に譲ったのだった。
汗水たらして一所懸命に働いた1年の終わりには肉を存分に食べたいと、ベトナム正月テト(Tet)の料理となったのが豚肉入りの「バインチュン」で、「バインザイ」は普段の軽食として親しまれている。
Post Advert 570×75 Rotation
掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。