メディカルトーク 足を使うスポーツ中に起こりやすい「肉離れ」 適切な応急処置をし、ひどい症状の場合は治療を

メディカルトーク

症例

30代男性。サッカーのプレー中に太もも裏に切れたような感覚と痛みが発生。応急処置後の翌日から、3日に1回の治療開始。1週間後に痛みが消失、2週間後に軽いランニングが可能、1ヶ月後に競技復帰となった。

今回のドクター

草場冴子理学療法士 さくらクリニック東洋医療科

① 筋肉の損傷である「肉離れ」

筋肉が過度に伸ばされ、その防御反応として筋肉が収縮した際、筋繊維が耐えられず、切れたり傷ついたりした状態を言います。サッカーや野球など、強く踏み込んだり、加速したりするスポーツ中に、特にふくらはぎや太ももに発生しやすいです。

② 激しい痛みがあれば治療を

「肉離れ」は、筋肉の繊維が傷ついたり、切れたりしている状態なので、腫れや熱感、痛みが出ます。 激しい痛みや内出血、患部が陥没している場合は、病院に行き、治療を受けることをおすすめします。

③ 治癒が早くなる適切な応急処置

適切な応急処置として、受傷後すぐに、腫れと痛みを最小限に抑えるため、RICE処置(Rest/安静、Icing/冷却、Compression/圧迫・固定、Elevation/挙上)を行います。 患部を心臓より高い位置に挙げて、軽く圧迫しながら氷のうで約15分患部を冷やします。熱感が残る場合は、凍傷に注意しながら適宜実施しましょう。

④ その後のセルフケア

2、3日後に炎症が治まったら、温熱療法で血行を良くして自然治癒力を高めながら、硬くなった筋肉を柔らかくしましょう。入浴やホットタオル等で温めてから、患部の筋肉を揺らしてリラックスさせ、痛みのない範囲でゆっくりとストレッチを行います。

⑤ 「肉離れ」を起こさないために

加齢、運動不足、血行不良、気温が低い状況下など、筋肉が硬い状況で無理に運動するとリスクが高まります。日頃から筋肉を柔軟に保つために、セルフケアを心がけましょう。 気持ちの良い範囲のマッサージやストレッチなどで、自分の体に触れる機会を持ち、体の変化に気づいてあげられる心のゆとりを持つことも大切です。
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