海外ドラマ初出演!/松下奈緒さんがハノイで記者会見

『タイヨウのうた』の現場では「シンチャオ」と言うと、 みなさん笑顔で返してくれました。

VNS_Interview_MatsushitaSan写真/勝恵美 TBSの連続ドラマ『タイヨウのうた』(2006年)のベトナム版が完成し、2015年12月からベトナム国営テレビ(VTV)で放送される。松下奈緒さんは日本のドラマ版と同じ役で登場し、少女フオンの夢を日本でサポートするキーマンとなる。完成記念発表のためハノイを来訪した松下さんに話を聞いた。

―「タイヨウのうた」のベトナム版に、10年前と同じ橘麻美役で参加されています。

同じストーリーで同じ役をやれることは滅多にない機会だなと思って驚いたんですけれども、非常にありがたいことですし、ぜひやりたいと思って参加しました。10年前は目の前にあることをこれでいいのかなと思いながらやっていた部分もあったんですけれども、今回は、新しい麻美をつくらなきゃいけないなという、どこか晴れ晴れとした気持ちがありました。麻美も、10年前は孤独で物悲しい感じが多かったんですけれども、それを乗り越えて、次はフオンちゃん(主人公の少女)のために何かしてあげたいという前向きな気持ちになっていて、同じ役柄ですけれども違う気持ちでアプローチできたのかなと思います。

― 海外ドラマ初出演ですが、ベトナムのスタッフとの日本での撮影はいかがでしたか。

「用意」「スタート」がベトナム語だったり、日本のドラマのつくり方とは全く違うので、最初はとまどうことも多かったです。ベトナムの俳優さんと会話だけでお芝居をするシーンでは、最初はベトナム語のセリフの語尾を憶えて、私が入るタイミングを計っていましたが、だんだん相手の演技でわかるようになってきて、今ここで言えば正しいんじゃないか、というのが確信に変わっていくのが、すごく面白かったです。演じることというのは、言葉がなくても通じ合うことができるのかな、と不思議な感覚でした。 

― 初めて訪れたハノイの印象は。

とにかくエネルギッシュな街だなと思いました。ディープな路地裏の市場では、路上で何かを焼いていたり、座ってフォーを食べていたり、匂いと視覚と、日本人にはなじみのないものがたくさんあって刺激的でした。牛骨風味のフォーがおいしかったです。

― ベトナム国内の視聴者に向けてメッセージを。

日本人とベトナム人の感覚や感情に共通するものや似ているところがあると思います。日本版の「タイヨウのうた」をご存知の方も、そうでない方も楽しめる内容になっていると思います。ベトナムの美しい風景や、どこでロケしたのかなと思うような日本の風景もあり、画がとてもきれいです。主人公のフオンちゃんが自身の病気の事、家族や恋人との問題などと向き合いながら、何を信じてどう生きていくのか。そこは涙しながらみていただけるとうれしいですね。
『タイヨウのうた』 ベトナム版 XP(※)を抱えたシンガーソングライターとしてベトナムで一躍有名になった主人公フオンは、日本で演奏する招待を受け、周囲の反対を押し切り恋人クワンと共に日本へ向かう。二人を招待した橘麻美(松下奈緒)は、XPを抱えライヴ直前に亡くなった雨音薫(2006年日本ドラマ版では沢尻エリカ)とフオンの夢を叶えるため、自分のライヴにゲストとして迎えたのだった…。 ※太陽の光に当たることのできない色素性乾皮症
松下奈緒 まつしたなお 1985年生まれ。2004年のデビュー以来、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(2010年)をはじめ、数々のドラマ・映画で主演を務める。「タイヨウのうた」のミュージシャンとしての出演シーンも代役なしでこなすなど、ピアニストとしても活躍中で、自身6枚目となるオリジナルアルバム「Music Box」(2015年)には、劇中歌「Wish」も収録されている。 ウェブサイト:www.matsushita-nao.com
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