#25 Đường Mạc Đĩnh Chi/マックディンチー通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

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頓知で皇帝も外国人も感服 不細工でも才知に長けた宮廷高官

vn-history-logoマック・ディン・チー(Mac Dinh Chi 、1280~1346年)は、チャン(Tran/陳)朝(1225~1400年)の第4代皇帝チャン・アイン・トン(Tran Anh Tong/陳英宗)、第5代皇帝チャン・ミン・トン(Tran Minh Tong/陳明宗)、第6代皇帝チャン・ヒエン・トン(Tran Hien Tong/陳憲宗)時代の宮廷高官。現在のハイズオン(Hai Duong)省ナムサック(Nam Sach)郡ナムタン(Nam Tan)村に生まれ、顔立ちは不細工だが聡明で有名だったとされている。 1304年、24歳にして宮廷の試験に首席で合格し、皇帝の文書の世話人に任命された。その後、尚書(現在の大臣と同等)を務め、持ち前の才知で皇帝や外国人をも感服させた。中でも漢詩を取り入れ頓知を利かせた応対に長けており、数々のやりとりで逸話を残している。 清廉潔白な性格でも知られ、高官ながらも質素な生活を送っていた。ある日、陳明宗帝がマック・ディン・チーの家の前にこっそり現金を置いたことがあったが、彼は自分のものではないとして宮廷に持参し、上申した。陳明宗帝は彼の律儀さを笑って褒め称えたという。 ホーチミン市1区のマックディンチー通りは、フランス植民地時代の初期まで「10番(So 10)通り」と呼ばれていた。1871年から「バンコク(Bangkok)通り」、1920年からフランスのシャンパーニュ=アルデンヌ地域圏に位置するマルヌ県のコミューン名と同じ「マシジュ(Massiges)通り」と呼ばれ、1955年3月に現在の「マックディンチー通り」に改名された。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学はライフワーク。日々、どローカルなベトナムライフを満喫中。
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