メディカルトーク/第114回なぜできる、どう治す?/虫歯(齲蝕)のしくみ

メディカルトーク症例

35歳の男性が1年半ぶりの定期検診で受診したところ、3本の歯に虫歯(齲蝕)が見つかり治療をすることに。幸いにも虫歯は深くなかったため数回の来院で虫歯を削って詰めて治療を終えた。

今回のドクター

内田結貴医師/スマイルデンタルセンター
①「虫歯(齲蝕)」ってどんな病気? 虫歯は皆様が一番よく知っている口の中の病気ですが、虫歯のメカニズムを今一度おさらいしてみましょう。虫歯の発生には3つの要因が関わり合っています。(1)虫歯菌、(2)虫歯菌のエサとなるショ糖(砂糖の主成分)、(3)歯や口の中の環境(歯の形、歯並び、歯の強さ、唾液)です。 ②歯垢が虫歯のリスクを高める 虫歯は前述の3要因が関連してできます。食事で取り込まれるショ糖が虫歯菌のエサとなり、それを虫歯菌が食べる際に発生する酸が歯を溶かして虫歯になります。虫歯菌は、特に歯並びの悪いところや複雑な形をした歯の溝にたまる歯垢に多く潜んでいるため、歯垢を落とさないと虫歯のリスクが高まります。 ③自覚症状がない場合も 虫歯の部分は穴が開いたり色が黒くなったりします。歯と歯の間などが黒く見える時は要注意です。自覚症状がなく進行することも多く、痛みを感じるときにはかなり深く進行している可能性もあります。特に乳歯の場合は進行が早く、虫歯が発見されたときには神経まで到達していることもあります。 ④治療法は? 虫歯になった際はまず虫歯部分を除去し、白いプラスチック素材や銀歯等で穴を埋めて形を回復するのが一般的です。しかし、虫歯が深い場合は神経を抜かなければならないこともあり、その際は治療回数が増えます。 ⑤定期検診で早期発見&治療! 虫歯はとにかく早期発見、早期治療が重要で、歯科医院での定期検診がもっとも有効です。また、前述の通りショ糖の摂取に注意をするほか、日頃のブラッシングで歯垢を落とすなど、自身で気をつけることで大幅にリスクを減らすことができます。
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