メディカルトーク/第107回 ピリピリと痛い発疹 帯状疱疹

メディカルトーク症例

52才の女性。左脇腹に痛みを伴う発疹が出たため来院。最近仕事が忙しく寝不足であった。左側腹部に水泡を伴う発赤疹を認めた。帯状疱疹の診断にて、内服薬と外用薬を処方し、発疹の改善とともに痛みも軽減した。

今回のドクター

白井拓史医師/ロータスクリニック
①「帯状疱疹」って、どんな病気? 帯状疱疹は、ピリピリとした皮膚の強い痛みと、帯状の発疹が特徴の病気です。体の中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。50歳以上の高齢者の方に多いですが、最近では20~30歳代の若い年代にも増加しています。 ②水痘・帯状疱疹ウイルスで発症く 帯状疱疹は、水ぼうそうを起こすウイルスと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。はじめてこのウイルスに感染したときは、水ぼうそうとして発症します。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでいて、ストレスや過労などで体の抵抗力が低下するとウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。 ③帯状疱疹の症状とは? 体の左右どちらか一方の皮膚にチクチクするような痛みが起こることから始まります。痛みを感じた場所に赤い発疹ができ、小さな水ぶくれとなります。この発疹が帯状に広がるので、「帯状」疱疹という病名がついているのです。発疹はまもなく水ぶくれになり、2週間ほどでかさぶたになります。 ④治療法について 帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬の内服薬や外用薬を使用します。また、痛みに対しては消炎鎮痛薬を使います。抗ウイルス薬は、早く服用を開始するほど治療効果が期待できるので、帯状疱疹の特徴的な症状を自覚したらできる限り早く受診しましょう。 ⑤栄養と睡眠を十分取ろう 日本では、帯状疱疹が年々増加傾向にあります。高齢者が増え子どもが減ったことで、成人後ウイルスに接することが減ったためと考えられています。帯状疱疹になるのは、疲れやストレスで体の抵抗力が低下している証拠。規則正しい生活をすることが大切です。
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