メディカルトーク /第102回 歯がしみる、痛む 「知覚過敏」

メディカルトーク症例

40代女性。冷たいものを飲むと奥歯がしみる。痛みは一時的で、普段の生活に支障はないが、最近、歯ブラシが当たってもしみるようになった。

今回のドクター

平山恵理子医師/ ロータスリニック(デンタル)
①刺激を受けると歯がしみる 知覚過敏は、冷たいものや酸味の強い飲み物や食べ物が一時的に歯がしみますが、痛みは継続しません。歯ブラシが強く当たったり、冷たい空気を吸ったときもズキンと痛むことがあります。刺激があったときだけ、歯がしみるのが特徴です。 ②歯の根元で起こりやすい 何らかの原因によって、歯のエナメル質が傷つき削れて、内部の象牙質が露出すると、知覚過敏になります。特にエナメル質が薄い、歯の根元で起こりやすい症状といえます。 また、歯周病や加齢で歯茎が下がると、象牙質が露出し、歯はしみやすくなります。歯軋りや長時間の食いしばりなど、過度に歯に力が加わることで、エナメル質が傷つき、象牙質の露出につながります。 ③睡眠時にはマウスピースを 治療法として、まずは原因を除去すること。歯周病の治療、適度な力での歯磨き、睡眠時の歯軋りや食いしばりには、マウスピースを使用しましょう。 歯科医院では、知覚過敏を起こした歯にフッ素を塗布したり、象牙質をコーティングして治療します。時々しみるだけだからと放っておくと、歯の神経の炎症を起こし、症状がひどい場合には神経を取る治療をしなければなりません。神経を取ると歯は脆くなるので、知覚過敏は早期治療が大切です。 ④フッ素入り歯磨き粉を使用しよう 予防方法は酸味の強い飲み物や食べ物を、長時間だらだらと食べないことや、力を入れすぎないように歯磨きすることです。また、フッ素入りの歯磨き粉を使用すると、知覚過敏と虫歯の両方を防いでくれます。 とはいえ、歯がしみること=知覚過敏とは限らず、虫歯や歯周病など他の病気も考えられます。症状が出たら、すぐに診察を受けましょう。
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