ベトナム人経営者の 気質/第26回/商談時の安請け合いと/実際の品質の差に注意

始め良ければ、終わりは…?

ベトナム人を見ていると、基本的に調子の良い事を云う人が多いと感じます。但し、こういった人ほど、いざ都合の悪い場面に直面すると、あれこれと理由を付けては自分の責任から逸らそうとする傾向が強い様に感じます。更に強く追求して行くと、機嫌が悪くなり、返事もしなく成ると、いう「逆切れ状態」を経験をされた事が有る方も多いのでは無いでしょうか。 これはベトナム人経営者にも見られる傾向で、商談時には調子が良かったにもかかわらず、いざ納期が迫って来ると、あれこれと理由を付けて失敗を隠そうとする傾向に有ります。

先を予想し、リスク回避の準備を

以前、委託加工先を探していた日系企業が、現物と仕様書を持って商談に臨んだのですが、その場では「出来る」「問題ない」という回答だけで安請負をしたにもかかわらず、商品サンプルの出来上がりを確認してみると、余りにも期待に沿う物では有りませんでした。 仕様も間違っておりその事を追求してみると、突然、仕様の困難さや、繁忙期でサンプルを作成する為の十分な時間が無かった、等の言い訳を始めるという場面に遭遇しました。 結局、この現地ベトナム企業との委託加工契約は締結されませんでしたが、例え商品サンプルの出来栄えが良かったとしても、契約を締結する場合には注意が必要と成ります。 現在、全ての工程を丸投げで満足出来る品質を維持し続けられるレベルに達している現地のベトナム企業はまだ多くは有りません。常に進捗を管理し、品質を管理する外部の管理者が必須である事は間違いが有りません。 言い方を変えるなら、言い訳を聞かされる前に、常に自らリスクをヘッジする方法を考え無ければ、ベトナム・ビジネスは期待する成果を挙げる事は出来ません。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 ウエブサイト:http://ags-vn.com
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