メディカルトーク/第98回 20歳以降の男性が/ かかりやすい痛風

メディカルトーク症例

駐在員、40代男性。楽しくゴルフをした後に右足に経験のない痛みが発生。来院時、足の甲に赤みと熱感を伴う痛みがあった。 痛風発作を疑い、検尿と採血の結果、高尿酸血症と診断。栄養指導と内服で経過観察。

今回のドクター

半田えみ医師/ロータスクリニック
①痛風とは? 痛風は尿酸が体の中に溜まり、それが結晶となって激しい関節炎を伴う病気です。20歳以降の男性に多く、放置すると激しい関節の痛みを繰り返したり、腎臓が悪くなったりする病気です。 ②ある日突然、関節に痛みが 通常、食べた物(プリン体を多く含むもの)や体内で合成された核酸は、体中で尿酸の形に代謝され尿として排泄されます。   血液中には一定濃度の尿酸が含まれていますが、尿酸は非常に水に溶けにくく長い間体内濃度が高まると関節滑液や組織に沈着して、ある日突然、足の親指の付け根などの関節(他の足指、手指、膝、肘、足首)が赤く腫れ痛みが出ます。症状が出るのは、夜中から明け方にかけて多いと言われています。通常、最初の痛みが出てから2、3日~1週間でおさまりますが、忘れた頃にまた痛みが出ます。   高尿酸は遺伝的な素因の他に、白血病、悪性貧血、腎疾患が原因となることがあります。 ③食生活の改善と薬で抑える 痛風関節炎の治療(痛み止め、発作頓挫薬)と高尿酸血症の改善(栄養療法、尿酸排泄促進薬、生成抑制薬)の2つに大別されます。尿酸の元になるプリン体を多く含む食事やアルコールを控えます。改善がない場合は、尿酸値を下げる薬を内服します。   高尿酸血症のみが問題視されていますが、低尿酸血症も注意しなければいけません。尿酸はビタミンCなどと同じように抗酸化剤でもあります。低尿酸血症とガンの発症の関係も最近では注目されています。   薬で値を下げ、低ければ低いほどいいということは決してありません。まずは薬の前に食生活の改善、それでも薬が必要の場合のみ内服をするということが良いと思います。
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