男のローカルひとり飯
最終回 南蛮渡来
カテゴリ:男のローカルひとり飯
更新:2014/06/10 – 10:00
編集部では、皆様からの情報をお待ちしています。情報掲載をご希望の方は、コチラまでご連絡を!
本稿が最終回。通が最後の一食として選ぶのは、5万VND(約250円)の枠を度外視したこの1杯だ。冷房もないローカル店で、1杯8万(約390円)の「フーティウホー」。「内装や立地や設備が悪いが高級な繁盛店は、絶対に外さない」というベトナムローカルフードの鉄板ルールはやはり健在。正直、カンボジアから伝わったとされるフーティウナンヴァン(Hu Tieu Nam Vang)は、ホーチミン市で食べたどんな料理よりも印象的だ。
まずはフーティウ法(第19回参照)に従い、麺のみを頂くと、濃厚でやや甘めの醤油だれとニンニクチップで、食欲着火。この甘みにライムをギュッとひと絞りしてもう一口頂くと、食欲が二段噴射する。このタイミングで、特製にんにくと大根の微塵切りの酢の物を加えても爽やかで良し。具材も豚肉、レバー、挽肉、腎臓、ニンニクチップ、パクチー、小葱、うずらなど定番は全てイン。
中でもハイライトは巨大な海老。噛んだ瞬間に歯と顎で感じる抵抗感は、贅沢の証だ。付け合わせの香草なども、フーティウナムヴァンで見かける春菊、セリ、ニラの全てが入り、ライムの酸が加わった甘めの醤油とニンニクのジャンク感と、青い香りの幅広いグラデーションが脳幹を支配する。
以上の全ての要素をまとめ切るために、海老が香るスープを混ぜ合わせる。麺、具材、スープが徐々になくなっていく事実を呪いながら、最後に残るひき肉や小葱の食感を噛みしめる。
記憶に刻んだ全ての味わいを頭に巡らせながら、そして、必ず帰ってくるぞとの誓いを胸に、この場を後にした。
本日のひとり飯:
リエンフア/LIEN HUA
住所:381 Vo Van Tan St., Dist. 3, HCMC
電話:(08) 3832 6078
営業時間:5:00~翌2:00 (L.O.2:00)
「フーティウホー/Hu Tieu Kho」8万VND(約390円)
井之原 四郎
孤高のフーディーを自称するフードライター。食べ物である限り、食べられない物がないのが自慢。美味い料理を食べているときは自分だけの世界に入り込んでしまい、時には涙を流すことも。酒にも目がない。
Post Advert 570×75 Rotation
掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。