メディカルトーク/第91回 繰り返す胃炎・胃潰瘍/原因はピロリ菌!?

メディカルトーク症例

38歳の男性が長引く胃痛のために来院。胃カメラ検査にて胃炎の所見を認め、粘膜の組織の一部を採取するとピロリ菌が陽性だった。ピロリ菌の除菌治療を行い症状は徐々に改善し、治療後の呼気検査にてピロリ菌は陰性になった。

今回のドクター

白井拓史院長/ロータスクリニック
①ピロリ菌とは? 正式にはヘリコバクター・ピロリ菌といい、胃の中に好んで住み着くらせん状の細菌です。胃の中は強い酸性になっていて、通常は菌がとても生きていけません。しかし、ピロリ菌は活発に動き回り、粘液の下にもぐりこんで胃酸から逃れます。さらにウレアーゼと呼ばれる酵素を産生し、胃粘液を分解。強酸性の胃酸を中和させることができます。
②胃がんを発症するこも 胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因としてピロリ菌は重要な役割を果たしています。ピロリ菌が作り出す毒素により胃の粘膜が障害を受けます。   ピロリ菌陽性者は陰性者の3~6倍の頻度で胃がんを発症すると報告されており、ピロリ菌の感染率の高い地域では胃がんの死亡率が高いとわかっています。
③検査方法は2つ ピロリ菌の検査には大きく分けて、内視鏡を使わない方法と、内視鏡を使う方法があります。   内視鏡検査は、胃炎や潰瘍などの病気があるかどうかの確認とともに、胃粘膜を少し採取して行います。内視鏡を使わない検査方法は、診断薬を服用して呼気(吐いた息)を集めて、診断する方法や血液中や尿中などに存在するピロリ菌に対する抗体の有無を調べていきます。
④もし感染したらきちんと治療を ピロリ菌の感染が確認された場合は、除菌治療を行っています。治療はプロトンポンプ阻害薬という胃薬と、2種類の抗生物質という組み合わせで行われます。   治療薬は服用スケジュールをきちんと守り、勝手にやめたりしないように注意をしましょう。治療中は禁酒して、刺激の強い食事は控え、規則正しい食生活を心がけるようにします。過労やストレスを避けることも大切です。
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