ベトナムの日本人/高砂利章さん/竿菊釣具店店主、カットサンフィッシングパーク共同運営

釣り人憧れの魚と出会える「釣り天国」で ベトナム人と日本人との交流会を開きたい

Takasago_8375 「こちらのライギョは闘争心剥き出しで、引きが強い。テリトリーにルアーを仕掛けると怒って立ち向かってきて、ガバッと口をあけて水面に飛び上がってくる。こんな魚がいるのかと驚いた!」。 興奮気味に語るのは、ホーチミン市内の釣り具専門店「竿菊釣具店」店主の高砂利章さん。約10年前の「東南アジアに生息するどう猛なライギョとの出会い」をきっかけに、この地での釣りの面白さに心を奪われた。 「釣り環境は日本の方が圧倒的に素晴らしい。ただ、ネットや雑誌でハウツーなどの情報が溢れ、マニュアル化されている。一方、ベトナムは情報が少なく、開拓し甲斐があったんです」。 高砂さんのフロンティア精神をかき立てた、ベトナムの釣り事情。情報収集をするべく、ベトナム人の釣り仲間を作り、彼らと一緒に船釣りをすることもしばしば。 「ちゃんとしたツアーがあるわけではなく、トイレもないような漁船をチャーター。船頭はベトナム語のみなので、仲間にはたくさん助けてもらいました」。 コンダオ(Con Dao)島やダナン、ハイフォンなどの沖では、“ジーティー(GT)”と呼ばれる巨大魚・ロウニンアジや、アカメの近似種・バラマンディ、クロダイなど、釣り人にとって“憧れ”といえる魚が生息している。そんな「釣り天国」のベトナムでは、竹竿に餌を垂らし、のんびりと釣りを楽しむ地元の人々の姿も珍しくないが、彼らが行うのは「食べるための釣り」。収穫が多いときには近所に配る、昔ながらのスタイルだ。 高砂さんはルアーフィッシング派で、釣りを「知恵比べのスポーツ」だと表現する。 「駆け引きがあるからこそ、魚を釣り上げた瞬間の喜びは大きい。それがルアーフィッシングの醍醐味。魚に合ったルアーを使い分けるのはもちろん、ルアーの動かし方や投げる場所、水深などでも大きく釣果が左右されるんです」。 高砂さんは「1日5匹主義」がモットー。 「どんな戦いをしたか、記憶に残るのは1日多くても5匹まで。真剣勝負をし、戦いを振り返ることで、出会った魚とのつながりを感じる。それがいつしか、魚たちが暮らす海をキレイにしようという気持ちにもつながっていくと思います」。 「釣りに関する情報を正しく伝えたい」と、今年6月にベトナム人と共同運営でキャッチアンドリリース専門の釣り堀「カットサンフィッシングパーク」をオープン。ベトナム人にとって、いまだにルアー釣りは金持ちの道楽というイメージがあるようだ。 「日本ブランドの釣竿やルアーを販売するだけではなく、正しい釣りの仕方などを店頭やウェブサイトで発信。ベトナム人には正しい釣りの仕方を、在住日本人にはスポットを伝え、いつか大会や交流会を開催したいんです」。 来月もまた、仲間と一緒に船を借りて釣り旅行へ。ベトナムの釣り事情を探究し、さらに釣りバカに磨きをかけることだろう。
高砂利章 たかさご・としあき 20年にわたり新聞記者を務めた後、2011年4月、妻の母国ベトナムへ家族で移住。ホーチミン市内11区に釣具店を開店、2013年5月に8区に移転。6月からカンヨー(Can Gio)地区で釣り堀を共同運営。 http://www.saogiku.com/saogiku http://catxanh.vn/ja
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