ベトナム人経営者の気質/第13回 ただの視察と侮るなかれ/ベトナム側は本気で品定め

視察であっても誠意は見せる

ベトナムで現地企業にパートナーを検討する場合、まず外資系企業にお願いしたいのは、初めての企業訪問であっても、せめてサンプルくらいは持参してほしいということです。 ベトナムの技術力では、出来ることと出来ないことは勿論あります。一方、ベトナム側からすれば、外資系企業の委託を請けるということは企業にとってのビッグチャンスであり、面談している企業がどれくらい本気でこの場に来たのかということも品定めしております。 初対面であっても、「獲得出来る物なら獲得してしまいたい」と強く願っている企業が大半で、アポイント取得の段階ですら、どういった目的での訪問なのかを確かめるほどです。それがただの視察程度の話であると知ると、アポイントを拒否する現地企業もあります。

ベトナム側の本気度チェック

外資系企業からすれば、ベトナムはまだ町工場的イメージが強いかも知れませんが、一部の企業では最新の機材を揃えて操業もしております。日本の様に至れり尽くせりの整然とした工場は少ないですが、現地を初めて訪れる方の殆んどの方が「思った以上に頑張っている」と、評価が上昇しているのは事実です。 外資系企業に気に入ってもらおうとする現地側の努力として、ISOを取得する等の行動を見ていると、アピール合戦は始まっていると感じます。 ベトナムは確かに発展途上ではありますが、だからといってタカを括っていると、そういった雰囲気が経営者側には伝わってしまいますので、十分な面談にはなりません。 その場にサンプルもない状態ですと、当然手に取っての詳しい話も出来ず、見積りを依頼することすら叶いませんので、その時点でベトナム人経営者の熱は冷めてしまいます。 サンプル持参の有無だけで、その場の雰囲気が大きく変わるということだけは、ご理解頂ければと思います。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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