ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説 3月号

ベトナムニュース解説安倍首相との会談、ズン首相「大成功」と評価

グエン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)首相は、2013年1月16日(水)に行われた安倍晋三首相との会談について、「友好、心からの信頼と相互理解の空気のなか、非常に成功した」と表現した。 会談後の記者会見でズン首相は、これまでの協力関係の著しい発展に満足し、戦略的パートナーシップを引き続き強化するための方針・措置について一致したと述べた。 安倍首相はベトナムを、「アジア太平洋地域の戦略的環境が複雑に動くなか、地域の試練を共有し、経済面で補完しあう関係にあり」重要なパートナーであるとした。また、2006 年に合意した戦略的パートナーシップをより全面的に発展させ、両国が地域の平和、安定により積極的に貢献することでズン首相と一致したと話した。 『Tuoi Tre』2013 年1月17日、p.01)

解説

首相就任直後の2012年12月28日に安倍首相はズン首相と電話会談し、政治・安全保障分野での対話と協力を進めていくことなどで一致しています。 その後、初の外遊で安倍首相はベトナムを公式訪問し、ズン首相のほか、グエン・フー・チョン(Nguyen Phu Trong)共産党書記長、チュオン・タン・サン(Truong Tan Sang)国家主席とも会談しています。 ズン首相との会談で両国は、貿易、投資、インフラ整備で関係を強化することで一致、日本はインフラ事業へ新たに5億US$ の支援を約束しています。ベトナムも南シナ海で中国との領土問題を抱えており、これについても意見交換されています。 なお2013 年は日越外交関係樹立40 周年にあたり、両国で様々な記念行事が開催されます。

研修生問題、日本人弁護士が来越し実態把握へ

福島県でのベトナム人女性労働者8人の勝訴を支援した日本人弁護士3人が2013年1月、ベトナム人研修生の実態把握のためハノイを訪れた。 女性らは縫製会社で働いていたが、最低賃金の半分にも満たない金額しか支払われず、給料の不払いもあった。裁判は3年を要し、判決が出たときには8人は帰国していた。また決定は会社の倒産後で、現在も賠償金は支払われていない。 近年日本で働く多数のベトナム人が給与トラブルで弁護士に相談している。 (『Lao Dong』2013年1月23日、p.06)

解説

ベトナムは外国への労働者の送り出しを国が主導して進めており、2012年の実績は約8万人(多いのは台湾:3万人、マレーシア:9300 人、韓国:9200人、日本:8800 人など)。職種は多種多様ですが、製造、建設、船員、家政婦などが多いようです。 台湾に家政婦などとして働きに出る女性が多く、男性ばかりが暮らす村もあるなど、経済面から外国で働くことを希望する人は非常に多いのですが、なかでも賃金水準が高く、文化的にも近い日本は、人気の国となっています。厚生労働省(日本)の統計では、現在日本で働くベトナム人は約2万6800人です(2012年10月末現在、各種在留資格を含む全体)。 一方、外国での労働実現にあたって仲介業者に多大な費用を払う、帰国後に就職先がない、外国での労働経験を活かせないといった問題もあります。送り出し先では、契約途中で逃げ不法滞在・就労する、雇主にパスポートを取り上げられる、低賃金で長時間働かせられる、暴力を振るわれるなどの問題があります。

2013 年の電力供給、南部で不安定か

ベトナム電力グループ(EVN)によると、2013 年は電力生産に不都合な要素が多い。 水力発電所ダムの貯水量は2012年末、例年より低く、中部では年末に日照りが起き、これが深刻化するおそれがある。7月、9月には南部の発電に使用するガスが不足する可能性もある。 EVN によると、3000MW 分の電源の補充により、水源の異常や大型発電所のトラブルがなければ、電力供給は間に合う。しかし南北送電線と南部電力網の運転は非常に緊張を強いられ、南部では供給が一時不足する可能性もある。 (『Thanh Nien』2013 年1月12 日、p.06)

解説

経済成長に伴いベトナムでは、電力の安定供給が課題となっています。電力源の約4割を水力発電が占めるため、乾季には水不足に伴う計画停電もよく行われています。メンテナンスなどによる停電も多く、突然の停電にエレベーターに閉じ込められたり、朝から電気がつかなかったりすることも日常茶飯事です。 停電で作業が遅れ、顧客からクレームが出たり、休日出勤や残業の増加でストライキが発生したりするなど、企業の不満は大きいようです。病院でも、手術中の停電であわや大惨事という事態も起きています。街中の商店などで自家発電機を持っているところも多くあります。 電力の安定供給に向け、原子力発電所の建設計画も進んでおり、ニントゥアン(Ninh Thuan) 2原発の建設では日本が協力パートナーに選ばれています。
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