29屋的越南恋愛コラム/「ベトナム人と結婚→親族一同と、/どう付き合うか?」を心配な御仁はお読みください/第15回

29屋的ベトナム恋愛コラム アナタのことは、好きだけど…(悩)

好きで付き合っている間は当人同士ですべての話が済むのに、結婚となるとそうはいかなくなるのが人生の難しいところ。なにせ、いったん婚姻届にサインした途端、パートナーに対して法的・道義的な責任が発生し、それが一生ついて回ることになる。決断そのものよりも、選定のための熟慮こそが一大事なのだ。 日本人同士でさえ、嫁姑の相性とか、親族にニートや犯罪者や借金持ちがいないかとか、心配の種は絶えない。ましてや、国境やアイデンティティをまたぐ日越カップルの場合、それだけでは済まない。金銭感覚や生活習慣のギャップを埋めていく戦いは、「VS連れ合い」だけでなく、その親族一同にまで相手となるのだから。

「血」は「水」よりも濃い。 決して切れることのない血族の絆

三国志の時代から、中華文明の影響下にある国々で言い伝えられる諺言に、「妻子は衣服のごとく、父母兄弟は手足の如し」というものがある。 読んで字のごとく、「配偶者・子供=富貴貧賎、好き嫌いの変化次第で取替え可能」であり、「血族は唯一無二。何をおいても大事にするべし」という考え方らしい。 実際ベトナムの場合、本家である中国と比べたら「子どもだけは大事にする」という違いこそあるものの、「妻(or 夫)」については、言い得て妙。女性が働くのが当然=経済的に自立しているので、離婚への引き金が軽いベトナム。血のつながりのない配偶者を、すりきれたT シャツのごとく捨て去ることには、日本人ほどのためらいを覚えないであろうことは間違いない。 あの『サイゴンから来た妻と娘』などの著書で有名な近藤紘一氏も、新婚ほやほやのベトナム人奥さんに冗談で「お母さんと俺と、どっちが大事?」と聞いてみたところ、驚くほどの真顔で「そんなの、ママに決まってるわ」とあっさり即答されてしまったという。配偶者は「血族」ではないのだ。

「同」せず、「和」せよ。 ただし常に「隠し玉」を持て

何年ベトナムで過ごそうとも、何人子どもが出来ようとも、日本人は死ぬまで日本人である。この事実は動かない。どれほど、この国と人々を愛し、自分自身がベトナム人の大家族的ライフスタイルに組み込まれて行くにしても、さびしいことに、われわれは最後の最後の部分で「ビジター」なのである。 パートナーの親族とどのような距離を保つにせよ、出来る限りの真心と甲斐性をもって接しつつ、「もしも自分が、この一族からたたき出されたら、どうなるのか?」という危機管理を、常に心の奥底で想定しておくことは重要ではなかろうか。 「生に在りて、死を思え」。そうすることで、普段の生活態度が粗暴・傲慢になることを防げるし、相手の真心にも素直に感謝できるはず。ガッツだ!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29 屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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