ベトナム人経営者の気質/第6回 強気の姿勢/~損するなら得はない~

ベトナム人経営者の気質/第5 回  条件交渉の姿勢/~綺麗な花には刺がある~こちらの意図も事情もお見通し

ベトナムは現在人口9100万人超。平均年齢28.2歳。15歳から64歳の人口が全体の69.6%を占める、労働力の確保には事欠くことのない経済成長著しい国の1つです。 中国があの様な状況となり、タイでは昨年の洪水の影響から、リスク分散の為にベトナムへの注目度と外資系企業の進出スピードは益々高まっています。 これらは話すまでも無いことですが、重要なのは、我々外国人が分析しているような事は、ベトナム人経営者も分かっているということです。 「外資系企業がどういった目的でベトナムに進出して来るのか」も、現在のベトナムが売り手市場である情況も、ベトナム人経営者の方々は十二分に理解し、そのチャンスを掴もうと虎視眈々と狙っているというのが現実です。ただこれは外資系企業が、進出時の心構えとして想像もしていない部分なのではないでしょうか。

強かさには強さで対抗を

外資系企業が市場調査を経てパートナー候補を確定し、いざ商談となりますと、それまで愛想の良かった方であっても、まず笑顔を見せることはありません。何度も申し上げますが、ベトナム人経営者は自社の「利益」に敏感で、「損して得を取る」という長期的な視野を持っている方は殆んどおりません。 商談の席では自社の条件を押し付けてくる程の強気な姿勢を見せ、歩み寄る姿勢は一切見せません。さらに自分のペースに引きずり込もうとする傾向が強くありますので、商談が紛糾することもしばしばで、両社歩み寄ることなくそのまま破談という場合もあります。 後日継続で商談を行う場合でも、提出される議事録に、議題になっていなかったことまで書かれている場合や、不利な条件がそのまま記載されているケースもありました。 外資系の進出企業が、このベトナムの「強かさ」に対抗するには、「強さ」を身に付けるしかないと感ぜずにはいられません。
河原 光伯 かわはら みつのり 15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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