第2回 意思決定の速さ②/~失敗したら次に行く~

ベトナム人経営者の気質七転八起のたくましさ

ローカル企業の経営者に共通する部分として、「失敗したらすぐに次に移行する」といった、七転び八起き的なたくましさを持っていることは、特筆するべき部分ではないかと存じます。 日本人的な「石の上にも三年」の精神で考えてみますと、変わり身の速さというのは軽薄な姿として映るだけでなく、日和見的な信念の無さと感じてしまう時があります。 つい先日までは、「信用して下さい」、「1日も早く業務を開始しましょう」などと言っていたパートナーが、潮が引いたかの様に次のチャンスに狙いをすましている、という状況も現実的にあるかも知れません。

拝金主義は悪いこと?

ベトナム人をよく「拝金主義」という言葉で表現する場合があります。ですが、高度経済成長に突入したとされるベトナムでは、それは無理からぬこと。ベトナム人経営者からしてみれば、チャンスをつかむことこそが至上の命題であり、重要な要素なのです。 こう考えることができれば、ベトナム人経営者の思考回路を少しは理解できるようになるのではないでしょうか。 あるベトナム人経営者の方は、縫製工場、スパ、化粧品の輸入卸、さらに不動産にまで手を伸ばしておられました。この様な多角経営は、規模はどうあれ、国民全体が狂喜乱舞していた20年前の日本のバブル期を彷彿させるモノを強く感じます。 そういったベトナム人経営者の思考形態を理解せずにやって来る日本人駐在員の多くは、「やるからには失敗は許されない」というプレッシャーの中で、ベトナム側との温度差が埋めることのできない現実として、見えない壁となって目の前に立ちはだかることになるのかも知れません。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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