澤村貴之さん/ハンドバッグデザイナー

「必ずベトナム人に受け入れられる自信がある」。 国際舞台で活躍する日本人バッグデザイナーの新たな挑戦

澤村貴之さん/ハンドバッグデザイナー ベトナムの日本人「お待たせしてすみません」。 ビビッドカラーが差し色に入ったポロシャツに、鮮やかな緑色のパンツ。颯爽と現われた澤村貴之さんに、カフェ内の視線が集中した。個性的だが、上品な色気漂う雰囲気がある。笑うと三日月目になる笑顔が印象的だ。 澤村さんは、日本のセレクトショップ「アッシュペーフランス/H.P.FRANCE」をはじめ、フランス・パリにも商品を卸すバッグデザイナー。2007年からパリ・コレにも出品し、世界を股にかけて活躍している。2012年6月中旬、パリや日本に輸出している自身のブランド「タサラ/Ta sa' ra」のほか、ベトナム人向けに新たに展開する新ブランドを中心としたセレクトショップをオープンさせる。 「必ず売れる自信があります。商品的に悪い物ではないと胸を張って言えるし、手の届きやすい価格帯にするつもりです。もし、最初に提案した商品が受け入れられなくても、再提案で受け入れられるものを作っていける自信がある。それは、パリや日本でもっと競争の激しい場所に身をさらしているからです」。 優しい目が、語るうちに野心に満ちた強い眼差しへと変わる。 初来越は1994年。かつて暮らしたニューヨークから日本へ帰国し、その後旅行で訪れたのが商売を始めるきっかけだった。もともとモノ作りをしたかったのに加え、ベトナム人の手先の器用さ、混沌としたベトナム社会を見て決めた。 「今でもそうだけど、当時はもっとぐちゃぐちゃだった。でもそこが逆によかったんですよ。混沌というのは、隙間があるということ。隙間があれば入り込む余地があるということですから」。 ファッションデザイナーからバッグデザイナーへ転身を遂げ、パリや日本で成功を収めている澤村さん。商品には、ベトナムの手作業を必ず入れるようにしている。 「刺繍に限らず、かぎ編みや革のフリンジ、ステッチ部分など必ず手作業を入れています。クオリティが高く低価格の『メイドインベトナム』はパリでも日本の展示会でも評価が高いんですよ」。 ベトナムが大好きなわけではない、という澤村さんに、この国で新たな挑戦をする理由を尋ねると、 「ベトナムは今伸びているし、若い人が多いから、これからお洒落なモノが売れていく。にもかかわらず、いいものがまだまだ少ないし、競争相手がいないから自分の力を試せると思うんですよ。それに、手先の器用さや、特に南ベトナムの人のおおらかさは自分に合うと感じることが多いんです」。 まずは、ベトナムマーケットに浸透することが第一だと、目を輝かせる。 「ベトナムの中間層をターゲットに、1~2年の間にネームバリューをしっかり構築したいと思います。いずれはショッピングセンターへ出店して、ゆくゆくは他の東南アジア諸国にもベトナムのブランドとして売っていきたいですね」。
澤村貴之 さわむらたかゆき 東京都生まれ。1985年、単身で渡米し20代をアメリカで過ごす。2002~2005年にベトナムでブティック「タカ/Tha★ca」を経営。現在はカフェ「ラフネソレ/La Fenetre Soleil」経営の傍ら、ハンドバッグデザイナーとして活躍中。自身のブランド「タサラ」と新ブランド中心のセレクトショップを2012年6月中旬にオープン予定。

La Fenetre Soleil 住所:2F, 44 Ly Tu Trong St., Dist. 1 電話:(08) 3824 5994 営業:10:00~24:00 (L.O.21:30)

撮影/大池直人
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