2012.03.08

第27回 飲食店の設立について

ベトナムビジネス外資への規制の背景

外資による飲食店の経営は、ベトナム人の名義を借りての事業と考える方も多いでしょう。まずは外資に対する規制を調べてみましょう。 ベトナムは2007年1月に世界貿易機関(WTO)に加盟した際、外資へのサービス市場の開放を公約。飲食業については、2015年1月までは、ホテルの建設、改装、買収等と平行して実施(合弁などの資本規制はなし)される場合にのみ可能となっており、同年1月以降は、この規制が撤廃されます。ホーチミン市ではこの規制が厳格に適用されているようです。 一方ハノイでは、外資100%や合弁での形態で、ホテル以外の場所で投資証明書を取得している事例があります。「2003年に締結された日越投資協定は、WTOの規定より上位であり、この分野は規制の対象外」という意見が、ハノイの投資計画局の中にあるようです。

飲食店の設立申請に必要な書類

必要書類の概要は、下記の通りです(ハノイ市商工局に申請する場合)。
  1. 法人の投資登記申請書
  2. 現地法人の定款
  3. 事業内容の説明書
  4. 出資者の財務能力に関する説明書
  5. 事務所の賃貸契約書
  6. 出資者の登記簿の写し
  7. 直近1期の決算書の写し
  8. 出資者の代表者、現地法人の代表者のパスポートの写し、など

チェーン展開は可能か

投資家からよくある質問に、チェーン展開の可否があります。2007年5月21日付け商工省の決定No.10/2007/QD-BTM号は、小売店を対象とする外資による2店舗目以降の出店を規制するものですが、飲食店にも影響するという見方もあります。 ベトナム政府は、小売店以外の出店についても、外資を規制する政令案を検討しており、この分野での外資による円滑な事業が可能かどうか、今後の見通しはまだ不透明です。
斉藤 雄久 さいとうたかひさ 早稲田大学社会科学部卒業。2008年「AIC VIETNAM CO., LTD」の設立に参画。 http://aic-vietnam.com