29屋的越南恋愛コラム
「日本女子に『そんなつもり』がなくても、純朴越南男子が『その気』になってしまう件について」
第05回
カテゴリ:29屋的越南恋愛コラム
更新:2012/03/06 – 12:12
文/29屋(にくや)食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
「日本女性が妻=最高の人生」
という定番ジョークはあれど…
当地在住の日本女性からよく聞くのが「職場や学校のベトナム男性から言い寄られて困った」という話。けっ、自慢かよ? と思いきや、どうやらそうでもない。聞けば、彼女たちは別に、意図的に気を引くようなイタズラを仕掛たワケでもなく、皆が皆、絶世の美女でもないのに、どうにも相手のテンションが最初から「死物狂い」で扱いに困るらしいのだ。
確かに、日本女性というだけでモテ度は高いのだが、はたして「大和撫子=理想の嫁」という使い古された幻想だけが、その理由なのであろうか?
プロセスをすっとばした誤解が
煩悩を決壊させる?
落語の『コンニャク問答』という噺。とある事情で、禅寺のニセ住職として、旅の僧侶と禅問答をする羽目になったコンニャク屋の主人。ボロが出ないよう黙っていたら、相手の僧侶は「無言の行」と勘違いしてゼスチャーで問答開始。
まず僧侶が片手で○を作れば、ニセ住職は両手で大きな○。次に10本指を出したので片手で5本。最後に3本指を出したので1本指を右目下に立てれば「恐れ入りました。到底、拙僧の及ぶ境地ではございませぬ」と、至極感服した様子で退散。
のちほど僧侶にワケを聞くと、「あのお方は大変な名僧です。『天地の間は?』と問えば『大海の如し』。『十方世界は?』と問えば『五戒で保つ』。『三尊の弥陀は?』と問えば『眼の下に有り』と」。
ところが、ニセ住職のコンニャク屋側の解釈はこうだ。「あの野郎、『おめえの売り物は、こんなにセコイんだろ?』と来たから、『とんでもねえ、これぐらいでかいぞ!』。『10でいくらだ?』って聞くから『500文だよ』。『300にまけろ』って言うからアカンベーしたら、逃げ出しやがった!」。
相手の真意がわからないまま、自分に都合よく解釈をし、結果的に意思疎通が不成立のままに暴走。このような「サインの読み間違い」にこそ、罪作りの根源があるように、僕は思う。
近年だいぶ開放的になってきたとはいえ、ベトナムでの男女交際においては日本人が考える以上に順序を踏むことが要求されるもの。例えば、1対1で出かけるとか、バイクで密着2ケツなんていうのは、自他共に認めるカップルとなった段階でないとNGだ。
つまり、たとえ他意はなくとも「話し相手が欲しいから」的な気軽さで日本女性がお茶や食事や映画に誘ったり、気さくなスキンシップをするのは、そりゃもうベトナム男子にとって、堀や城壁を飛び越えて天守閣に大砲の弾が飛んできたぐらいのショックであると心得るべし。
汝、モテを弄ぶなかれ。ホスト国男子の煩悩がはち切れぬよう、大和撫子はガッツで気遣うべきなのである。
29屋(にくや)
食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
http://blog.livedoor.jp/info29
Post Advert 570×75 Rotation
掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。