29屋的越南恋愛コラム/「家庭に仕事を持ち込まず、仕事に/家庭を持ち込まず。とは言えど…」/第04回

29屋的越南恋愛コラム「そんな仕事なら、辞めて! 私とどっちが大事なの!?」

給料やポジションが今よりも上がるとか、家から遠いのがイヤとか、上司や同僚とケンカしたとか。日本人なら「え? マジで?」と思うような気軽さで、ベトナム人は仕事を辞めてしまうものだが、そもそも独立心が旺盛な民族。日本人のように過労死や鬱病のリスクを背負い、家族や恋人を放置してまで仕事をするというのは、まったくもってバカバカしく映るらしい。 当地でベトナム人女性と付き合ったり、家庭を持ったりしている日本人男性は、残業や接待で夜遅くなったり休日も駆り出されたりして、「そんな仕事なら、辞めて!」、「私と仕事、どっちが大事なの!?」などと理不尽に迫られることが多いそうだ。そんなこと言われても困る今日この頃、いったいどうすればいいのか?

「アナタ、いつになったら屋根の雨漏りを直してくれるんですかっ!?」

西郷隆盛が、3度目の結婚をしたのは1865年のこと。以降の数年間、倒幕運動の中心勢力である薩摩藩の重鎮として東奔西走し、日本史上屈指の大仕事をしたわけだが、なにしろ飛行機も鉄道もない時代。郷里の鹿児島に戻ることも、ままならない。 そんな殺人的スケジュールの中、ようやく妻と子どもたちの待つ家に立ち寄る時間をもてた西郷どん。当時の日本で最も大きな仕事に命を賭けて取り組む夫に対し、久々に再会した妻は、どんな労わりと愛情のこもった言葉をかけたのかと思ったら、「アナタ、いつになったら屋根の雨漏りを直してくれるんですかっ!? この前やるって言って、そのまんまじゃないですかっ!」。 ネットもテレビも新聞もない時代の、しかも日本の端っこの田舎の話とはいえど、あんまりといえばあんまりな扱いではないだろうか? ともあれ、このエピソードが示すのは、西郷どんほどの英雄で、日本人同士でさえも、嫁さんというのは旦那のやっている仕事のもつ意義とか、すごさなんて理解はしてくれないのだ、ということに尽きる。

仕事に家庭を、家庭に仕事を、少しは持ち込んでみるべし

外国で、日本人の生活レベルを維持する給料を得るのは、もちろん並大抵のことではない。同僚のベトナム人スタッフが、定時で終業して遊びに行った時間に働いてこそ、彼らよりもいい待遇を得ているのは事実だ。 しかし、昭和ニッポンの終身雇用システムならばともかく、生活のすべてを犠牲にして仕事に打ち込んだところで、それに見合う幸福が得られるとは限らない。 で、あれば、仕事の予定を組む時には家庭のことも頭にいれてバランスをとるべきだし、家族に対しても企業秘密を漏えいしない程度で仕事を話題にして心を共有する努力をするべきではないだろうか? ガッツだ!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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