旧正月は砂糖漬けフルーツでテトのムットMứt for Tết
カテゴリ:ベトナム特集, 今月の特集
更新:2023/01/01 – 09:00
今月のお楽しみ。旬のベトナムの魅力に迫る巻頭特集と、プロカメラマンによるベトナムフォトエッセイ。
南部の手作りムット
ベトナム南部は自然の恵みであるトロピカルフルーツが豊富で、ココナッツやバナナなど自宅の庭にある果物を使って各家庭でムットを手作りする。北部よりも果物の甘みや酸味が強く、キャンディーのような見た目のムットも多い。
幼い頃を思い出すココナッツムットの作り方
ココナッツのムットは、旧正月が近づくと各家庭で作られる。メコンデルタにあるヴィンロン(Vĩnh Long)省出身の編集Dは、ムットの思い出を語る。
「子どもの時は毎年、祖母がココナッツのムットを作っていました。ここ数年は祖母の具合がわるくなり、母が代わりに作っています。ココナッツのムットを見ると、故郷のテトを思い出しますね。小さい頃の私は、ココナッツのムットができ上がるのが待てなくて、庭で天日干ししている間にこっそりとって食べていました(笑)」
そんな編集Dがこの度、家庭の味を受け継ぐべく、実家でココナッツのムット作りに挑戦した。
「実家の庭にあるココナッツの木を使うので、市場で購入する材料は砂糖だけです」
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外殻はまだ緑色で乾いておらず、叩くとコンコンと音がするココナッツを選ぶのがコツ。白い部分(コプラ/胚乳)が硬くて弾力があるためだ。ココナッツウォーターを取ってから、実を半分に割る | しゃもじを使ってコプラを丁寧に切り離し、ナイフで薄茶色のシェル(内果皮)を取り除く |
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コプラを水で洗い、包丁で細い短冊状に削る | ココナッツ1kgあたり砂糖500~600gを加えて混ぜ、5時間ほど漬けおく |
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鍋を弱火にかけ、水分がなくなるまで炒める。焦がさないように、よく炒めるのがコツ | 2~3時間ほど天日で乾かす。乾いてくると、ココナッツの外側に砂糖の層ができる。直射日光が当たる場所がない時は、機械で乾燥させる |
南部のムット3選はこちら!
【ムットマンカウ】
Mứt Mãng Cầu
サワーソップのムット
キャンディーのように透明なセロファンで包まれている。2時間ほどサワーソップを砂糖漬けした後、フライパンに入れ、中火で煮る。牛乳を加えて10分煮て、よくかき混ぜたら完成だ。スッキリとした香りで、もちもちとした噛みごたえがあり、ほどよく甘酸っぱい。「マンカウ/Mãng Cầu」の発音は「願い事」=「モンカウ/Mong Cầu」と似ているので、商売繁盛などを願うという意味がある。
【ムットチュムルオット】
Mứt Chùm Ruột
アメダマノキのムット
南部にしかないムット。親指の先ほどの大きさのアメダマノキは熟した実が黄色で、酸味が強いため、通常は生では食べられず、ムットなど甘い料理に加工される。酸味を和らげる秘訣は、洗った実を冷凍庫に入れて凍らせること。その後、解凍し、水分を絞ることで酸っぱすぎず、調理時にもつぶれない。赤色のため、幸運を象徴する。
【ムットチュオイ】
Mứt Chuối
バナナのムット
必ず熟したバナナ「チューイスー/Chuối Sứ」(別名チューイシム/Chuối Xiêm)を使う。皮をむいたバナナをつぶし、砂糖と牛乳を加えて火にかけて、焦げないように濃い茶色になるまで混ぜ、ローストピーナッツとゴマ、刻みショウガを加える。型を使って成形したあと、カットする。バナナの黄色が明るく楽しい雰囲気を連想させると好まれる。
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