川口 涼子 さん/「ママラ」代表

文/有田紳介

家事や育児も立派なキャリア! 主婦が活躍できる場を

身に着けたスキルは活かすべき 思い切って始めたイベントが好評 2002年、ホーチミン市を旅行中だった川口涼子さんは、縁あって和食店で働く機会を得た。そこから本格的なベトナム生活が始まり、将来の夫との出会いもあった。 「夫は現地で会社を経営していまして、結婚後も、出産時の一時帰国以外はサイゴンで暮らしています。結婚してから2011年まではずっと専業主婦でした」   長女が幼稚園に上がり、ママたちとの交流が増えると、自身と同じような悩みを持つ人が多いことを知った。 「家にずっといて、子育てや家事に追われる毎日。でも、独身時代はパティシエだった、服飾関係の仕事に就いていたというママたちもいて、そんな話題で盛り上がるんです。『持っているスキルを活かさないなんて、もったいない!』と考えるうち、イベントを開催しようと始まったのが『ママラ/mamara.』でした」   主婦の手作り商品を中心に販売するイベント「ママラ」は2011年、2区の小さな店舗の一角から始まった。 「初回は7~8人が商品を手掛けて、来場客は50人ほどでした。やりがいを感じ、年1回ですが開催を続けてきました」   開催規模は少しずつ大きくなり、2017年からは企業ブースを設置するほどまでのイベントに成長を遂げていった。企業との接点が生まれたことで、仕事として成り立たせられないかと考えたことが、2018年の事業化につながった。 コロナ禍で重宝された宅配事業 主婦目線の商品選び・企画も挑戦 「ママラ」の事業化後、イベントは現在コロナ禍により休止中だが、オンラインで日系商品の販売を中心に行っている。 「イベントは、2017年からはホテルやホールでの開催ができるまでになりました。2022年はコロナ禍が落ち着いたら開催予定です。商品は、日本からの輸入品、日系企業商品、主婦の作家品などをウェブ上で販売しています」   2020年5月からは宅配サービスも開始。コロナ禍でさらに多くの日本人が利用するようになった。 「日本人以外にも日本の食・文化をより多くの方々に伝えられたら。ウェブサイトはベトナム語と英語を準備中。宅配サービスエリアを拡大したりと、今も試行錯誤中です」   次なる目標は、商品開発への参加だ。 「主婦の意見を、販売企業とシェアしながら開発を進める企画を始めています。主婦は料理や掃除のプロであり、尊敬に値する職業です。そういった主婦の視点を取り入れることで、ベトナムに合った製品とサービスを提供できます。何より、主婦が参加し活躍できる大変貴重な場にもなります」   これから主婦の活躍の場が増えることが楽しみだと、わくわく感を隠せない。 「主婦が社会の一部になる、その想いと共に共感してくださる方たちと一緒に活動できたらうれしいですね」
川口 涼子 かわぐち りょうこ 福岡県北九州市出身。「主婦だけじゃない居場所」をコンセプトに、日本人によるハンドメイド商品の販売イベント「ママラ/mamara.」を2011年から主催、2018年に事業化。日系商品の販売も手掛け、今後は輸入商品を増やす予定。 FB: Mamara.vietnam IG: @mamara.mamara https://mamaravn.com
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