メディカルトーク 虫歯じゃないのに歯がしみる「知覚過敏」 いつもの歯磨きや食生活が原因かも

メディカルトーク

症例

27歳女性。歯磨きをすると上の両方の奥歯がしみる。最近になって冷たいものもしみるようになってきた。虫歯かと心配になり来院。レントゲン写真にて虫歯がないことを確認した。

歯がしみて辛い知覚過敏 引き起こす要因は多岐にわたる

知覚過敏は、歯の1番表にある層がなくなり、象牙質と呼ばれる2番目の層が露出して起こります。刺激が歯の神経に伝わって過敏になり、しみやすくなる状態です。   要因はいくつかあります。1つ目は、歯磨きにおける力の入れすぎや研磨剤の使用で、歯の表面が少しずつ研磨されること。2つ目は、歯ぎしり。過度な噛み合わせの力により、歯と歯肉の境目のエナメル質が徐々になくなることで起こります。3つ目は、酸蝕。柑橘類やスポーツ飲料、酢などの飲食物、胃酸などによって㏗(水素イオン濃度)が酸性に長期間または頻回にさらされて歯が溶けることで起こります。ほか、多数の要因が重なって起こることも。

最適な治療法を選ぶには、 痛みの真の原因を知ることが重要

歯磨きの見直しや飲食物を変えることで改善されることが多く、歯磨き粉の中には知覚過敏ケアに特化したものもあり、ベトナムでも購入可能です。また、神経が落ち着くと症状が改善するため、様子をみるのも1つの手です。   歯科医院での治療は、象牙質の表面のコーティングや失ったエナメル質を充填するなどの方法があり、症状と状態によって選択します。   予防策としては歯ぎしりに対するマウスピースです。症例の患者さんは、知覚過敏を理解し、歯磨きの方法を改善することで、1週間後には症状がなくなりました。虫歯ではない安心感から症状が改善されることもあるので、心配な方はまず歯科を受診しましょう。
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