メディカルトーク 20~40代の女性に多い子宮内膜症 生理痛が重い場合は、我慢せず受診を

メディカルトーク

症例

38歳女性。左下腹部の鈍痛、強い生理痛を主訴に受診。経腟エコーで4cmのチョコレート嚢腫(子宮内膜症性嚢胞)が発見されたが、現在日本への帰国が困難であるため経口避妊薬を用いた薬物療法を開始した。

無自覚の人もいるが 卵巣癌の原因になる可能性も

子宮内膜症は、本来は子宮内にしか存在しない子宮内膜組織が子宮以外の卵巣などで増殖する病気で、炎症や痛み、癒着、不妊の原因となります。20~40代の女性に多く、生理痛が重くなりますが、中には無症状の人もいます。生理の度に子宮内膜が増殖するので、年齢を重ねるごとに症状が重くなるケースがほとんどで、日常生活に支障をきたす場合もあります。   原因は諸説ありますが、はっきりとは分かっていません。基本的には良性の疾患ですが、チョコレート嚢腫が5cmを超える場合は卵巣癌の原因となることがあるので手術が検討されます。手術で嚢腫を摘出しても再発の危険があるので定期的な受診が必要です。

薬物療法の治療が可能な場合も まずは、婦人科を受診しよう

思い当たる症状があれば、まずは婦人科を受診して経腟エコーを受けましょう。状態によっては腫瘍マーカー(血液検査)やMRIなどで詳しく調べることもあります。   大きく分けて薬物療法と手術による治療があり、症状の種類や重症度はもちろん、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して最適な治療法を選択します。妊娠希望がなければ薬物療法が選択されることが多いです。   卵巣嚢腫は自覚症状がない場合もあり、定期的に婦人科検診を受けることで早期発見、治療が可能となります。一時帰国や海外での受診が困難な状況が続くことが予想されるので、不安なことがあればお気軽にご相談ください。
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