谷島 隆広 さん
ソイソイ(Soy Soy)代表
カテゴリ:ベトナムの日本人
更新:2020/09/05 – 09:00
編集部では、皆様からの情報をお待ちしています。情報掲載をご希望の方は、コチラまでご連絡を!
日本式の豆腐&豆乳をベトナムで販売
消費者だけでなく、生産者にも貢献を
卸売業から生産者になりたい
新会社を立ち上げ追いかけた夢
日本では30年以上、食品販売会社を経営。長年卸売業に携わる中で、いつかは生産者になって自分でモノづくりをしたいという憧れを持っていた。
「以前からエビやイカといった原料を仕入れるため、定期的にベトナムを訪れていました。その際、ベトナムは今後大きく成長するに違いないと感じて、何かお手伝いできることはないかと模索し始めました。その結果思いついたのが、ベトナムでの有機野菜の生産、加工、販売だったんです」
念願だった農業に携わるべく、経営していた会社を同業大手に株式譲渡し、2015年6月に日越アグリーン社を立ち上げた。
「しかし、そこからは失敗が続きました。ホアビン省で合弁の農業経営を試みましたが断念。ハナム省でベビーリーフの栽培を目指すも上手くいかず。北部の土壌は粘土質だったり、冬は曇りが多く日が当たらなかったりと、作物が育ちにくい環境でした。加えて、私自身が農業に関しては未経験だったたので、農場では役立たずでした」
3年間の試行錯誤の末にたどり着いたのが、有機農産物の加工と販売だった。
「ベトナムの環境で周年生産販売が可能なものを探した末、無農薬の大豆に注目しました。大豆なら長期保存ができるし、日本のような濃厚な豆腐、豆乳をベトナムではあまり見かけなかったので、差別化も図れると見込みました」
失敗を経て、大豆に希望を見出す
濃厚な豆腐&豆乳の普及に尽力
2018年7月に手作りの豆腐や豆乳などを販売する「ソイソイ/Soy Soy」を開業した。しかし、豆腐や豆乳の製造も初めてのことだったため、しばらくは作っては食べるの繰り返しで、正式に販売できるまでには半年もの時間を要した。
「現在は手作りの濃い豆腐として絹と木綿、無農薬大豆と軟水だけで作った豆乳と、抹茶豆乳も販売しています。当店舗のほか、ハノイ市内の日系スーパーや自然食品店などでも購入可能で、日本人には豆腐が、ベトナム人には豆乳が好評です」
安心安全な食品をお客様に提供するのはもちろんだが、生産者側への貢献も意識している。
「生産農家が少しでも安定した収入を得られるよう、無農薬栽培の大豆は弊社が契約した農家から全て買い取っています。ただ、有機栽培大豆は大量生産が難しく、豆腐の製造でも手作りにこだわっているので、なかなか量産や価格対応できないのがもどかしいところですね」
まだ始まって間もない有機の豆腐、豆乳の販売。今後はブランドとしての認知度を高めて、リピート購入者を増やすのが目標だ。
「時間はかかると思いますが今後も農家と連携して、ベトナム在来種で非遺伝子組換えの有機大豆を育て、それを加工して安全で濃い豆腐と豆乳を提供することで、お客様の健康に貢献していきたいと思います」
谷島 隆広 やじま たかひろ
熊本県天草市出身。2015年6月に日越アグリーン社を立ち上げ、ベトナムでの農場作りを目指す。2018年5月にハノイ郊外のエコパークで「ソイソイ/Soy Soy」を開業し、2018年11月より、手作りの木綿豆腐の販売を開始した。現在は生湯葉の販売に向けて準備中。
Facebook: SoySoy Eco
Post Advert 570×75 Rotation
掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。