佐野 元 さん/バース(Virth)オーナー

ベトナム人からも「お酒がおいしい」との評価 日本のバー文化が広く受け入れられる日を夢見て

一筋縄ではいかなかった来越 人に恵まれ、得たチャンス 日本では建築士だったが、エンドユーザーの顔を直接見てみたいと地元の飲食店に転職。30代前半に縁があり、ベトナムで飲食店の開業計画に参加することを決めた。 「せっかく会社を辞めたのに、計画が頓挫してしまったんです。ベトナムに行く! という意気込みだけが残ってしまって。行くだけでも行ってみようと、つてを頼りに1人だけでいいからと現地のベトナム人を紹介してもらい、ハノイに向かいました」 その時紹介してもらったのが、不動産会社の代表で現在ビジネスパートナーでもあるフン(Hung)さんだった。 「数日ハノイを案内してもらい、その際、何か商売をやるなら協力してくれると言ってくださったんです。この出会いには本当に感謝しています」 しかし、その後の具体的な計画はすぐには決められなかった。 「やるなら居酒屋かな? となんとなくの考えはありましたが、もちろん1人ではできない。まずはその不動産会社で働きながら今後の道を探ることにしました」 その間、ベトナム人の働き方を観察し、ベトナム語の勉強にも集中した。この経験がひらめきを与えてくれた。 「1日の終わりに日本語を話したくなるし、おいしい酒が飲みたくなったんです。そこで、ベトナムには日本にあるようなバーが無いと気が付いたんです」 試行錯誤し、安定するまで2年 日本式バーの定義を確立したい 2012年2月、日本語が話せて酒好きが気軽に集まれる「バーウォーク/Bar Walk」が誕生。開業当初は客足が少なく客数が0の日もあったが、紹介を受けたり口コミで広がったり、ブログでもアピールして、徐々に運営は軌道に乗っていった。 「日本にあるような、地域密着型のバーを目指しました。常連の方が増えてきて、忙しくなったのは2年たった頃。今でも私に会いに来てくださる方がいらっしゃいます」 2015年12月には2号店となる「バース」を開業。次の目標は「バー=不良が行くところ」という悪い印象がつきまとっていたベトナムで、バーテンダーとの会話を楽しみ洗練された大人の雰囲気を楽しむといった、日本式のバーを定着させることだった。 「ベトナムの経済成長に伴い、バーの印象が変わっていくと見込んで10年は地道に頑張ろうと決めました。今はワインやウィスキーなどは贈答品になっておしゃれなバーも増加。ようやくこの時代が来ましたね」 2019年のクリスマスは、「バース」でうれしい悲鳴をあげた。 「満席で、ベトナム人のお客様が全体の60%。ここのお酒がおいしいと言ってくださる方もいて、お酒をわかる人が増えてきたと実感しています。しかし、ジャパニーズバーとは何か? に関しては模索中です」 ようやく光が見えてきたと語った佐野さん。今日もカウンター越しに楽しい会話が繰り広げられている。
佐野 元 さのはじめ 千葉県浦安市出身。2011年8月に来越。2012年に「バーウォーク」、2015年に「バース」をオープン。現在は1店の経営に集中するためバーウォークは閉店、バースをハイバーチュン(Hai Ba Trung)区で運営している。今後はスタッフの独立も支援したいと話す。
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