メディカルトーク 妊婦が発症する「妊娠性歯肉炎」 妊娠中は特に丁寧な歯磨きを心がけて

メディカルトーク

症例

35歳女性。妊娠6週目頃から歯肉が腫れ、出血もしていた。“つわり”もあったため、歯ブラシもあまりできず口臭も気になっていた。当クリニックでクリーニング、ブラッシング指導を行った後、症状は軽快。

妊娠中の女性ホルモンの産出が 歯周病菌の増殖を促す

歯肉炎は、歯の間や歯肉に溜まった歯垢などが原因で、歯茎が赤く腫れた状態のことをいいます。「妊娠性歯肉炎」は、妊婦が歯肉炎にかかることであり、妊娠初期から歯茎が炎症を起こし、妊娠中期にピークになります。妊娠すると女性ホルモンが産出され、歯病菌の増殖を促します。歯周病の原因となる菌は、妊娠12~13週目頃に妊娠初期の5倍になるといわれています。 このために妊娠期の女性は少量の磨き残しによって歯肉炎が起こりやすくなっています。歯肉炎が進行すると歯周病を引き起こしますが、重度の歯周病を持った妊婦は早産、低体重児を産むリスクが非常に高いというデータもあります。

入念な歯磨きと安定期の クリーニングで歯肉炎を予防する

妊娠性歯肉炎は、基本的には磨き残しがない清潔な口腔内では起こらず、もし起こったとしても軽度で済みますので、妊娠中は特に気をつけて、丁寧に歯磨きを行ってください。 また、歯科医院でクリーニングをしてもらうとより効果的です。出産後はなかなか歯医者に行けるタイミングもないと思いますので、妊娠5~7ヶ月の安定期に通常の歯科治療を受けて、ケアしておくといいでしょう。 また、もし妊娠初期に歯周病など気になる歯の症状がある場合には、母体の負担にならないような応急処置をとりあえずしてもらい、安定期になってから治療を始めるのがおすすめです。
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