平野一孝 さん/「ジュエルダイナー」オーナー

かつて通った、思い出の店を偲びながら 海外生活初の地で、アメリカの国民食に挑戦

帰任が決まり、退社&独立を決意 準備に1年強を要し、無事に開店 中小企業の駐在員として2014年にハノイに赴任。工場に勤め、日本人は平野さん1人という環境で約2年を過ごした。 「1人だった分、工場の管理、製品の輸送、本社への報告まで、あらゆることを任されていたので、大変でしたがやりがいはありました。法律などの勉強もしなければならず、ベトナムの知識は増えていきました」 転機は帰任辞令を受けた時だった。 「日本に帰りたくなかったんです。海外生活は初めてだったので、何もかもが新しくて刺激があって。もう少し居たいと打診したんですが、認められませんでした」 それなら会社を辞めて、ベトナムで何か始めてみようと心に決め、構想を練ったのがハンバーガー&サンドイッチの店だった。 「学生時代にハンバーガー店でアルバイトをしていました。そこが妙に居心地が良くて、本当に好きな場所でした。当時のバイト仲間と今でも仲が良く、中には同じような店をオープンさせた人までいて、ちょっとそれが羨ましくて。自分でもそんな店を作ってみたいなと思ったんです」きたのは、2018年2月だった。 試行錯誤で練り上げたレシピ どの時代でも人気の料理で勝負 レシピはすべてオリジナル。特にバンズは、試作品を作ってはやり直すを繰り返し、1年以上かかって仕上げた完成形だ。 「当初はパンを仕入れる予定だったのですが、どうにも美味しいパンが見つからず。なら自家製でいこうと決めたものの、今度は発酵器がない。だからしばらくはシャワー室のお湯を出しっぱなしにして湿度や温度を調整しながら試作していました。大家さんにはかなり怒られましたけど(笑)」 こだわりは、ファストフードではないこと。昔ながらのアメリカンダイナーがコンセプトで、新しいものよりも、派手なものよりも、どの時代でも愛されている料理を、ひと手間かけて丁寧に作ろうと心がけている。 「うれしかったのは、アメリカ人のお客様に『ハノイで初めて本物のハンバーガーを食べた』、『3年かけてようやく美味しいものにたどり着けた』というコメントをいただいた時 ですね。日本人が作っているのに、本場の味に近づけられたと実感して、ここまでこれてよかったと思いました」 今も日本人、ベトナム人、欧米人の常連客が増えており、少しずつだが、自身が思い描く理想の店のかたちに近づいている。 「『いってらっしゃい』、『おかえりなさい』が飛び交うような、国籍関係なく気軽に通えてちょっと一息つける、一種の交流の場として利用されるようになってほしいと願っています」
平野一孝 ひらのかずたか 愛知県稲沢市出身。2018年2月にハンバーガー&サンドイッチ店「ジュエルダイナー/Jewel Diner」をオープン。食パンやマフィン、ベーグルなどの店頭販売も行っている。同店はペット同伴可能で、平野さんの愛犬であるパティとラテも出迎えてくれる。
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