
症例
46歳男性。歯周病と虫歯のため、右下奥歯2本が抜歯となった。奥に歯がないため、入れ歯かインプラント治療のどちらかとなり、入れ歯の不快感や不便さが避けられ、他の歯にも影響がないためインプラント治療を受けた。
人工歯根で歯を取り戻すインプラント
入れ歯がもつ不便さとおさらば
インプラント治療は、歯を失った骨の中に人工の歯根を埋め込み、セラミックの被せ物をすることで歯を生み出します。
元来の入れ歯は残った自分の歯に金属のバネのようなものを引っ掛けて安定させており、「毎日の取り外しが必要」、「入れ歯と歯茎の間に食べ物が詰まる」、「ガタガタと動く」といったことも多く、インプラントよりもかなり違和感がありました。
インプラントは、自分の天然歯に近い強度と審美性を備えた歯を再現できるのが特徴で、未だ「治療期間が長い」、「自費診療のため治療費が高額となる」といったデメリットはありますが、利便性や快適性さらに審美性を求める風潮が広まる中で、その要望に応えられる治療と言えます。
進化するインプラント技術
手術もだんだんと短時間で済むように
インプラントは主に3つのブロックで構成され、いわゆる「インプラント体」と呼ばれる人工歯根、その上にねじ止めする土台、そして被せ物のクラウンです。隣の歯を削ることなく失った歯のみを再現し固定するので、お手入れは普通に歯磨きをすればいいだけです。ただ、放置はせず、1年に2回ほどの定期検診とインプラント周りのクリーニングが必要です。
インプラント手術は怖いというイメージがあるかもしれませんが、患部に麻酔して歯茎を少し切り、骨を削ってインプラントを埋め込むまで、早い場合は15~20分で終わります。骨を削る器具も発展し、わずか3本のドリルを使用するだけで手術ができるようになるなど進歩しています。