日越の絆を深めるべく、今、自分ができることを

2018年10月に本誌で実施した「読者アンケート」で、「ベトナムスケッチ特別インタビュー記事」に当選した松本健嗣さん。現在、財務省から国際協力機構(ジャイカ/JICA)へ出向中という。今回、本誌の取材に緊張しながらも朗らかに答えてくれた松本さんに、来越のきっかけやベトナムでの仕事などについて伺った。

――― ベトナムでの仕事について教えてください。

ジャイカでは運輸・交通インフラを担当し、質の高いインフラ投資を促進しています。最近は、日越両政府初の官民連携案件であり、ジャイカが円借款で支援したラックフェン(Lach Huyen)国際港建設事業に従事。日越政府の動向にアンテナを張り、現場の進捗確認や関係機関との協議、各種手続きがスムーズに進むような調整をし、各事業を円滑に進めるべく作業を行っています。職場は協力体制もあり、風通しが良いと感じています。

――― ベトナムへの渡航は自身の希望ですか?

学生時代は短期で渡米したり、途上国から来日した人との交流などを経験し、財務省では政府開発援助や国際金融などに携わり、以前から海外の現場で働きたいと希望を職場へ提出していました。その気持ちが上層部に伝わったのか、人事面談でジャイカ(ベトナム)へ出向の打診を受け、「行きます!」と即答したら数ヶ月後には来越していましたね(笑)。

――― ベトナムでの生活はいかがですか?

そうですね、「七転び八起き」です(笑)。今でも環境に対応するのが本当に大変です。仕事面は、当然ながら日本での常識が通用するものではなく、まずは自分の常識を疑うようにして、現地スタッフが何を考えどう動いているか理解するよう常に努めています。 生活面は、例えば、バイクが道路だけでなく歩道も縦横無尽に走り迂闊に歩けないですし、言語の壁もあり様々な場面でストレスを感じることがありますが、本格的な海外生活を経験したことのない自分にとっては新鮮で、良い勉強だと考えています。 国際関係の仕事に就きたいと思うようになったきっかけの1つは、大学時代の米国ペンシルベニア大学での新たな出会い。大学院では、修士論文研究でトンガ王国を訪れて現地で取材したこともある ジャイカの事業はベトナム全土にわたる。2018年9月は、ジャイカなどが融資した高速道路の全線開通式典に出席。ベトナムは交通インフラの需要が高いと感じているという

――― 今後の目標を教えてください。

自分ができることで日越両国の関係性を深めたいし、両国以外でも役に立てる人材でありたいです。あとは、ベトナムの人はプライベートの時間を大切にしているので、そこはしっかりと見習っています。先日は日本人学校で開催されたハノイ日本祭りのボランティアに参加しましたし、大学で体育会陸上競技部に所属していたので日越交流事業の駅伝大会にも出場しました。そういった新しい経験を増やして、たくさんの人と触れ合いたいとも考えています。ベトナムでの任期があとどれくらいかわからないですが、今後もグローバルに働き、良識ある国際人を目指したいです。
松本健嗣 まつもとけんじ 1986年生まれ。長崎県長崎市出身。大学卒業後、財務省本省や地方支分部局で勤務。2017年6月からジャイカへ出向となりハノイへ。現在は、ベトナムの運輸・交通インフラを担当。趣味は水泳やランニングなど。大の猫好きで、テレビや雑誌の特集が楽しみという。
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