溝尾 和也 さん/エウレカストーン代表

「自分だけにしかできないこと=石材」だった ベトナムで感じたセメントタイル事業の将来性

競争相手のいなかったビジネス “石材”との出会いが人生を変えた 日本では商社に勤め、石材貿易事業部に所属していた溝尾和也さん。 「ベトナムに駐在事務所を立ち上げるとなった際、ベトナムの石材を担当していたのが社内で私しかいなかったんです。その縁で2011年に駐在員としてハノイ生活が始まりました」 それまで海外生活を強く意識したことはなかったが、元々旅好きで留学経験もあったことからベトナム生活にはすぐ馴染んだ。 「来た当初からベトナムには大きな可能性を感じていましたね。仕事でセメントタイルに出会ったのが転機となりました」 近年主流のセラミックタイルと比べて、セメントタイルは完成までに手間暇がかかる。ベトナムでは製法技術が現在も受け継がれており、世界的にもめずらしいことだ。 「ベトナムのセメントタイルは300年もその製法が変わっていないんです。1枚1枚が手作りで、焼かずに乾かすため、完成までに3週間は要します。でもこれを何とか輸出事業に繋げられないかと考えました」 当時、セメントタイルを輸出している会社は、数は少ないが存在していた。しかしそのほとんどは国内市場向けで、輸出には特化しておらず、そこに着目した。 「2014年に独立して、石材やセメントタイルの輸出を行う『エウレカストーン/Eureka Stone』を立ち上げました。丁度いろいろなことに挑戦したくなった時期でもありました」 本当に好きなことで生きていく 仕事を通した出会いにも感謝 起業翌年の2015年には、セメントタイルの職人を集めて工場を開所し、本格的に輸出事業に取り組んだ。 「アメリカや中国の展示会に参加した時、ヨーロッパの方からの反応がとてもよかったのが印象的です。彼らにとってベトナムは遠い国ですが、品質の高さとデザインで気に入ってもらえました」 展示会では、日本製タイルの海外でのPRを強化していきたいという人にも出会った。タイルの生産地として有名な岐阜県多治見市から来たという。 「見てほしいと言われたので、実際に多治見市まで足を運んでみました。手に取ると品質の良さに驚きましたね」 これがきっかけとなり、建築材料の需要が高いホーチミン市で日本製タイルをベトナムに輸入して販売する「ニッポントレーディング/Nippon Trading」も設立した。 「ホーチミン市の7区にショールームがあります。日本のタイルだからこそ、日本人の方にぜひ見てもらいたいです」 ビジネスを通してモノや人と出会うたびに、やりたいことがどんどん広がっていく。 「もちろん最初は不安です。いつ売り上げが立つのか全く読めませんから。でも私は本当に好きなことしかやりません。だからここまで続けられるのだと思います」 今後も石材、タイルという自身の強みを生かしていきたいと語った溝尾さん。夢は、東南アジア全11ヶ国で新規事業を始めることだ。
溝尾和也 みぞおかずや 大阪府大阪市出身。2014年に「エウレカストーン」をハノイで、2017年に「ニッポントレーディング」をホーチミン市で設立。両社の代表を務める。セメントタイルのデザインでは、アーティストとのコラボレーションを積極的に行っている。 ウェブサイト:https://eurekatile.com ウェブサイト:https://nippon-gallery.com
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